イギリスには、無償の介護者(日本では概ね家族や親族)の権利を守り、支援する法律の整備が進んでいる。
病気や障がいがある家族を介護する人には、財政的のみならず、精神的なものなど、様々な負担が伴う。
イギリスでは、こうした介護者の相談にのり、公的サービスにつなげるなど支援を行う。
介護者が未成年の場合は、学業支援なども含まれる。
支援の必要性の評価は、自治体の職員などが介護者と面談し、
「どのような介護を、どれだけの時間しているか」
「健康や仕事への影響はないか」
など丁寧に聴き取り、家事援助や息抜き休暇費用など支援の必要性を認定する。
日本では、「ショートステイ」で要介護者を短期間施設などに入れることで、介護者の息抜き時間を担保すると言うが、介護者に対する支援は限定的で、直接対象にした給付はない。
介護により、健康を損ねたり、学業や仕事が犠牲になることは社会の損失著しい。
今後は、「共倒れ」「介護離職」の増加が予想される中、介護をしながら自分の人生をしっかり送れるような支援や方策を整えることが肝心だ。