決算委員会(10/4・最終日)

2024年10月04日

本日は、10時から決算委員会が開かれました。

決算委員会の最終日となり、各出席会派からのしめくくり質疑です。

会派を代表し、私から「不登校対策について」など、質問しました。(以下、質問全文掲載)

しめくくり質疑後は、最終討論でそれぞれが態度を表明し、採決となりました。

こちらでも私が会派を代表し討論に立ち、令和5年度予算は概ね適正に執行されたものと認め、令和5年度新宿区四会計歳入歳出決算の認定に賛成しました。(以下、討論全文掲載)

9月20日から、過密日程の決算審議となりましたが、今回もしっかり質問や提案ができたものと思います。

10月8、9日と常任委員会、10日に特別委員会が開かれ、各委員会にかかる議案の審査を行ない、10月16日の本会議で採決となります。

また、総選挙に向けて選挙費が足りず、補正予算を組まなければならないとの話もあり、急遽10月10日の特別委員会後に、議会運営委員会、本会議、常任委員会がセットされる予定と聞いています。

いずれにしても、気を抜くことなく、もうひと踏ん張り頑張ります。

 

<不登校対策について>

Q.都教育委員会の調べでは、都内の公立小中学校で不登校の子どもは2万7千人を超え、10年連続での増加となっており、不登校の子どもの割合は小学生では全体の小学校1.78%、中学校6.85%となっています。新宿区でも、まず小学校において、令和3年度109名だったのが令和4年度では130名となり、令和5年度では139名にも上っています。また、中学生では令和3年度149名、令和4年度では198名、令和5年度では235名と、こちらも毎年数が伸びています。近年は、コロナ禍の影響で心身に変調をきたし、登校できなくなった子どもも多いことや不登校が選択肢として認知されたことから無理をして登校する子どもが減ったとの理由が考えられているようです。
もちろん、そうしたこと以外で不登校となる理由は様々でしょうし、本人や家族や友人を含むその周辺の環境によるものの影響も大きく、一律の対策などがあろうはずもありませんが、不登校の児童生徒数の増加が続く状況に、教育委員会や学校ではどのような点に気を付けているか、またどのような対策強化をお考えか、お聞かせください。

Q.不登校など学校に係わる子ども達への様々な課題を解決するため、学校や保護者などをつなぐ役割としてスクールソーシャルワーカーがおり、そうした問題の解決に効果を発揮していると伺っています。スクールソーシャルワーカーは、不登校やいじめ、虐待など事態が悪化する前に専門知識を基に対応を考え、学校を支援する、または子どもや保護者と面談し、心のケアについてスクールカウンセラーと連携し医療や福祉などの機関との調整も担います。
不登校になる要因は、学校、家庭、本人に係る状況が関係しており、多岐に渡るとのこと。学校や地域にて、それぞれ役割分担して解決に取り組んでいるとおっしゃられていますが、要因が多様化し、多岐に渡るのであれば、横断して各所をつなぎ、連携のハブとなり、コーディネーター役も請け負えるスクールソーシャルワーカーに期待がかかります。
また、NPO「スクール・ボイス・プロジェクト」のアンケート調査では、多くの教員が「スクールソーシャルワーカーと連携すると精神的・時間的な負担軽減につながる」と答えていることから、教員の働きすぎなどの問題における解決への一助となります。
ただ、スクールソーシャルワーカーはいくつかの学校を掛け持ちする勤務形態で、1校当たりの滞在時間や勤務日数が少なく、情報共有や協働がしにくいとの答えも多かったようです。そこで伺いますが、現在の新宿区における3名のスクールソーシャルワーカーの勤務状況を教えてください。

Q.多くの教員がスクールソーシャルワーカーが学校にいることによって、精神的・時間的な負担軽減につながると考えており、学校の大きな課題である教員の多忙を解消するのにも効果的と思います。ただ、現場では人手不足により支援の質を向上させていくには体制が脆弱だと感じており、本当に持続可能な仕組みかと疑問を持っているようです。
スクールソーシャルワーカーとして働く上での課題としては、多い順に「有期契約という身分の不安定さ(76%)」「勤務校でのスクールソーシャルワーカーの活用体制の不整備(66%)」「非常勤契約による仕事の掛け持ち(59%)」という結果となりました。支援の体制が整っていないことに加え、雇用の不安定さを課題に感じている人が多いようです。
家庭と子どもの支援員を増やして各校に配置していくことに力を入れていくとのこと。もちろんそうした取り組みも効果があるものと考えますが、体制の強化を図る意味でもスクールソーシャルワーカーを増員する、滞在時間を増やす(それこそ常勤させる)、アウトリーチなどにも活用するなど、そちらにも更に力を入れる必要があるものと考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。

国もスクールソーシャルワーカーの必要性や効果を認めており、関連予算を増やしていくとのこと。教育員会は、そうしたことを待つのみにあらず、子ども達のために率先して取り組み強化を図るべきと考えます。検討に留まることなく、江戸川区のような全校への配置など早期の実施を強く要望します。

Q.不登校に関しては、家庭や保護者の影響も大きいと言われており、不登校になりやすい親の傾向などの検証も進んでいます。不登校になりやすい親の傾向では、過干渉、過保護、心配性、管理する、感情的な非難をする、ほめて伸ばす、ルール条件付けをする、放任といったタイプに分けられるとのこと。
過干渉、過保護、管理タイプの保護者ですと自己解決能力の不足が出やすく、心配性ではネガティブな思考になりやすく、チャレンジをしない、感情的な非難をするとコミュニケーション能力が不足する、ほめて伸ばすと退行が起こる可能性が高くなり、管理やルール条件付けをすると嘘をついたり言い訳をするようになる傾向があるとのこと。
もちろん、こうしたらこうなると言うのが全て当てはまるわけではなく、統計上での傾向ではありますが、不登校の解決を図るのに一つのヒントになる部分もあるかと思います。子どもが不登校にならないように、家庭や保護者が注意すべき点などを紹介するなど、そうした対策を講じることについて、ご所見を伺います。

そうした子どもたちの居場所づくりの中で、国も区もフリースクールとの連携の重要性が取り上げられてきました。多様な教育機会の検討委員会の中で、実際にフリースクールなど民間施設の代表の方々などを招いて、そうした中で学校の校長先生とも情報交換を行うなど関係を深めてきたものと聞いています。学校と家庭、フリースクールが密に連携を図るという取り組みで、実際に学校が直接施設を見に行き、どういった学習状況なのか、どのような教育活動をやっているのかといったところも確認をしたとのこと。
フリースクールにおける児童・生徒への支援方針やカリキュラムの内容について共有するとともに、学校との連携等について、これまで協議を進めてきたとのことですので、引き続き取り組みを進めていただくようお願いします。

Q.また、都教委の調べでは、不登校の子ども達のうち、フリースクールに通った記録がある子は5%弱だったとの報告がありました。利用が広がらない理由として、フリースクールの授業料による負担が大きいことも挙げられていました。そこで、東京都は「フリースクール等の利用者等支援事業(助成金)」として、フリースクール授業料として「一人あたり月2万円」の助成を受けられる制度をスタートしました。
他方では、教育の機会を担保するとして、フリースクールとの連携を深め、フリースクールの授業料を支援する明石市のような自治体もあります。不登校で悩む家庭の中には、経済的支援も必要な場合もあるかと考えますが、上乗せなどそうした点において区独自の支援などをどのようにお考えか、お聞かせください。

 

「令和5年度新宿区四会計歳入歳出決算・討論(立憲民主党・無所属クラブ)」

 本委員会には、立憲民主党・無所属クラブを代表して私が出席させてもらいました。ただいま一括上程されております認定第1号から認定第4号までの決算について、討論をいたします。
 令和5年度予算は、編成の方針を第二次実行計画の総仕上げと位置づけ、第一に、社会経済情勢の動向を見極めながら限られた財源を戦略的、重点的に配分すること、第二に行政評価や状況分析に基づく事務事業の見直しとデジタル技術等を活用した事業転換等を進め、効果的、効率的な事業構築を図ること、この2点を基本に編成されました。
 令和5年度決算は、実質収支は黒字でしたが、財政調整基金の積立や取り崩しを控除した実質単年度収支はマイナス64億円余と11年ぶりの赤字となりました。
 社会保障関連経費の増大、首都直下地震をはじめとした各種災害への備え、デジタル化や脱炭素化の推進など膨大な財政需要や、景気変動を受けやすい歳入構造を考慮すれば、今後はさらに厳しく不透明な財政運営となることが見込まれます。そうした中、エネルギー価格をはじめとする物価の高騰や金融資本市場の変動など、社会経済情勢を的確に見極めながら、物価高騰対策をはじめ、高齢者や子育て世代への支援など誰もが安心して住み続けられる環境の整備、災害に強い安全で安心なまちの実現、魅力あふれるにぎわい都市の創造と地域の特性を活かしたまちづくりなど、重要な施策に取り組んでいかなければなりません。
 当委員会に当たり、限られた財源を「区民に寄り添い、その思いを的確に捉えた施策が展開されているか」、「高齢者や障害者の方々など弱い立場の方に配慮ある施策が展開されているか」、また、「受益者負担や世代間の公平性において、バランスが取れた施策が行われているか」という視点で質疑に臨ませていただきました。
 具体的には、「教育に関する各種支援について」、「介護人材確保・育成支援について」、「各種災害に対応できる防災体制の整備について」、「保育環境の改善について」、「不登校への対策について」など、意見や提案もさせていただきました。
 これらのことを今後の区政に活かしていただくよう強く要望し、認定第1号から認定第4号まで、いずれもおおむね適正に執行されたものと認め、全てに賛成し、討論を終わります。

 

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