介護される人と介護する人がともに65歳以上という「老老介護」が急増している。
国民生活基礎調査によれば、同居家族が介護を担う世帯で、老老介護の割合が半分になった。
介護される人とする人の双方が75歳以上という世帯の比率も高い。
10年後には、夫婦二人暮らしで65歳以上の世帯が1.2倍、75歳以上の世帯が1.6倍になる計算だ。
国は、在宅介護を進めているので、老老介護が増えていくことは避けられない。
そうなると介護する側への支援を充実させることが急務だ。
介護保険があるのに利用していないケースや
「どんなサービスがあるのか」
「どう手続きすればよいか」
など、制度が周知されていない状況が問題として取り上げられる。
行政は、介護保険でできることをしっかり伝達し、支援に結び付ける努力をしなければならない。
また、介護する人が全てを自分で抱え込むとストレスがたまり、将来への不安を募らせる。
虐待や殺人に至る不幸なケースもあり、背景にある孤立が最も大きな理由だ。
見守りが必要になりそうな高齢者を訪問する仕組みなど、民生委員のみならず「介護コーディネーター」や「配食サービス業者」などと連携し、対策を強める必要がある。
団塊の世代が高齢化する前に、老いへの不安を解消する取り組みが喫緊の課題と考える。