本日は、新宿区労働報酬等審議会を傍聴しました。
まず、議事「公契約条例に関するアンケートの結果報告について(最終報告)」の説明を受け、議論がなされていました。
委員からは、事業者労働条件調査についても調査すべきとの提案があり、今後のアンケートの仕様について変更も含めた検討に入るとのことでした。
また、アンケートの効果や集計結果概要について、調査結果の解釈への指摘がありました。
続いて「令和6年度労働報酬下限額の答申案について」、報告を受けて、議論がなされました。
令和6年度労働報酬下限額の設定について、複数の委員から意見書が提出されており、民間の賃金相場や他自治体の取り扱いが紹介され、1300円以上とすることの提案がありました。
また、賃金相場と設計労務単価の開きなど、工事に関する検討課題について問題提起がなされ、実態把握の必要性などが指摘されていました。
ただ、事務局としての見解とはかなりの差異があり、一部の議論は平行線です。
その上で、事務局から労働報酬下限額の考え方や根拠が説明され、令和6年は1245円とする案が改めて示されました。
そうした案の提示を受けた上で、出席の委員からは近隣区と比較して低いことへの懸念が述べられ、影響についても意見が出されていました。
「あくまでも下限額は下限額として、それを基準とした賃金設定にはならない」とする区の考え方に対し、委員からは公契約条例や労働報酬下限額の意義、賞与の取り扱いなどが改めて語られていました。
「最低賃金に労働報酬下限額が追い越されるような事態が起きぬように」と、上げ幅を見誤らぬよう求められ、議論は締めくくられました。
最終的には、審議会からの答申として労働報酬下限額を1245円とすることが確認され、付帯意見の取り扱いが話し合われました。
公契約条例の行政指導型からILO条約型への転換、アンケートの改善など、提案をまとめていく作業がなされましたが、次年度の検討課題を明確に記載し、引き続き議論していくといったところで話は落ち着きました。
最後に、答申案が諮られ、承認されて審議会は閉じられました。