本日は、10時から本会議が開かれました。
昨日に引き続き、代表質問が行なわれ、私は2番手での出番となり、11時を過ぎたところでの登壇となりました。
手前みそではありますが、しっかりと区長や教育委員会にコロナ対策や子どもの安全などについて、質せたものと思います。
質問の全文は以下に掲載します。
「新型コロナウイルス感染の再拡大への備えについて」
「新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は、11月に入り急速に増加を始めており、年末年始から年明けにかけて大きな流行がくる可能性が高い」と、国立国際医療研究センター病院の大曲先生は警戒を促しており、全体的に新型コロナウイルスに対する免疫が日に日に下がっていることや人と会って屋内で長い時間を過ごす時間が増えることなどが理由として挙げられています。
第8波への備えとして、医療態勢の再構築が引き続きの最重要課題であることは言うまでもありません。第6波、第7波では、発熱外来に患者が殺到して予約がとれず、検査キットもなかなか手に入らない状況に陥りました。また、医療従事者の感染が相次ぎ、病床が空いても使えないといった事態も起き、まだまだ課題山積の状況です。
そして今回は、インフルエンザとの同時流行も想定されており、反省と教訓をおおいに活かし、感染再拡大への備えを急がなければなりません。10月に政府が発表した同時流行を想定した「外来受診・療養の流れのイメージ」では、発熱などの症状がある場合、高齢者や子どもらに速やかな受診を促す一方、中学生から65歳未満は、原則としてコロナの「自己検査」を行い、陽性なら自宅療養に入るという流れとのこと。
医療資源が限られている以上、重症化リスクがある方々を優先することに誰もが異論はないでしょうが、熱が出た本人に当初の判断を委ねた場合、きちんとバックアップできる仕組みが整っているか、体調の急変に速やかに対応できるのかなど、不安の声も多く挙がっています。
検査キットも薬局などでの前もっての購入を呼び掛けていますが、安価とは言えないキットの備えにどの程度協力を得られるか未知数で、やはり身近な場所で確実に検査を受けられる体制を整えることが重要です。
また、検査で陰性となれば、電話やオンラインによる診療を受けられるとしますが、オンラインで対応できる医療機関は限られ、受診控えが起きてしまえば、元も子もありません。区としても、オンライン診断、処方、そこからの薬等の配送など、何らかの支援をすべきと考えますがいかがでしょうか。いずれにいたしましても、何かしらの病に罹患した際に診察や処方などを求め、問い合わせる先などの周知を徹底するなど、どなたにも対応できるよう態勢を整えておく必要があります。そうした点で区はどのように取り組むおつもりか、お考えを伺います。
更なる感染拡大の対策として、引き続きワクチン接種の勧奨をはじめ、消毒、換気などの実施を徹底することを呼びかけるものと思います。その上で、様々に国が対策を掲げていますが、それを履行ないし、支援することが課せられる現場の自治体として、区はどのように取り組むおつもりか、お考えをお聞かせ下さい。
また、入所型高齢者施設での感染対策も喫緊の課題です。東京都高齢者福祉施設協議会の調べでは、7~8月の感染ピーク時に都内の入所・通所型高齢者施設で感染が確認された人のうちに、入院できた人は約3割で、残りの方は受け入れの調整がつかず、入院調整中に施設で亡くなった方も少なくなかったとのこと。「集団で生活する高齢者施設は感染拡大のリスクが高く、入所者や職員が安心して過ごせるように原則入院の態勢を確保して欲しい」と、関係者は求めています。また、有識者からも「職員の精神的、肉体的負担は重い。家族から感染するケースも多く、人手不足に拍車がかかり、入所者への介護の質を維持するためにも療養できる態勢を整えることが急務」と、指摘されています。
そこで伺います。新型コロナウイルスの感染再拡大を目前に控え、区では入所型高齢者施設への支援や対策をどのようにお考えか、ご所見を伺います。
「保育施設の実地検査や防災訓練について」
2019年に「子ども・子育て支援法改正案」が成立し、幼保無償化の実施が決まりましたが、有識者からは、保育の質の低下が懸念されていました。
計画当初は、一般的にいう認可外保育施設やベビーホテルなどへの補助は原則として、保育士の配置人数などの基準を満たすことが条件となり、この基準を満たすところのみが無償化の対象とされていました。
しかし、利用者の公平性や認可外施設の質の向上を促進するためにと、「5年間は経過措置として、基準を満たしていない場合でも無償化対象に加えること」となり、認可外施設を巡っては安全性の確保などについて、懸念が払しょくされぬままきたのが現状です。
そうした中、安全性などを確かめるため、認可外保育施設における検査の必要性が高まり、東京都では指導監査部が立ち入り調査を行って、検査実施率を上げる努力をしましたが、慢性的な人手不足により、認可外保育施設への検査の実施率は低調にとどまっているとのこと。
また、朝日新聞では政令指定都市や東京23区などにアンケート調査を行い、「児童福祉法で定められた保育施設へ年一回以上、自治体職員が現場を確認することが義務づけられている実地検査が実施されているか」など、保育施設が適正に運営されているかを調べました。この調査によると、実地検査を行なえなかった施設の数は19年度が765所でしたが、20年度は3267所、21年度は3504所にはね上ったとのことで、コロナ禍や人員不足が理由として挙げられていました。
待機児童対策として、保育施設が急ピッチで整備された結果、送迎バスの園児置き去りなど保育をめぐる問題が起き、有識者からは「保育の質を保つためには実地検査は不可欠であり、理由はどうであれ実施するべき」と警鐘が鳴らされています。
また、この調査では施設側に示される文書指摘についても調べられており、検査数が減っているにもかかわらず、19年度が3578件、20年度が2281件、21年度が2599件と高止まりしている結果が出ています。文書指摘では、子どもの安全に関わる内容も目立ち、第一に保育士が何人の子どもを見るかの配置基準を満たさないケースが多く挙げられ、他では重大事故が報告されないケースや「窒息につながる食材使用」や「水遊び時の監督態勢不備」、「うつぶせ寝」など、事故につながるような事案が散見されたケースの指摘も少なくなかったようです。有識者は、こうした指摘がされていることから、「重大事故のリスクを高める詰め込み保育が起こっている可能性もあり、現状をより丁寧に把握し、抜本的に対策することが必要」と状況の把握と改善を求めています。
そこでお聞きします。待機児童の解消の次には、保育の質の向上が求められるわけですが、子どもの安全性を保護するため、保育の質を確保するためにも検査の徹底が必要だと考えますがいかがでしょうか。法に定められた施設においては、年一回などの実地検査の義務を果たすことが必要です。また、認可外施設でも都との連携体制強化や区独自の立ち入り調査の実施など、課題解決に向けた取組が求められています。まず、認可、認可外施設それぞれの19年度以降の実地検査の実績をお答えいただき、その上で実地検査のあり方について、区のご所見をお伺いします。
こうした検査がしっかりと実施されますと、様々に事業者の実態が明らかになります。中には、悪質な業者がいることも事実で、夜に働かないと生活できないシングルマザーなど、生活状況が厳しい人たちが、問題があっても利用せざるをえない状況を逆手に取り、足元をみて運営するような認可外保育施設もあります。報道でも大きく取り扱われた、昨年7月の認可保育園と今年9月の認定こども園では、送迎バス内に置き去りにされた園児が相次いで亡くなり、新宿区においても職員数を水増しし、運営費を不正受給していた事案も発覚しました。保育における安全性や保育事業の適正な運営に社会的な焦点が当たる中、区ではどのように対処していくおつもりなのか、お聞かせ下さい。
保育施設の安全性の確保について、実地検査の必要性を申し上げましたが、続いては保育施設などでの防災訓練についてもお伺いします。保育施設によっては、0歳児から子どもをお預かりしており、いざという時に無事に避難できるかなど、保護者の不安は尽きぬものです。特に、商業ビルのテナントなどで事業がなされている場合、避難路は適正に確保されているか、他の階の避難の波に子どもが巻き込まれないかなど、様々な困難も想像に難くありません。もちろん、消防などの関係各所がそうした点をチェックした上で、事業が認められているものと思いますが、訓練などにはどのように関わっているのか、お聞かせ下さい。
また、先日の委員会で、「保育施設の防災訓練に防災部門が立ち会ったことがない」と聞きましたが、餅は餅屋ではありませんが、積極的にそうした部署も入って、チェックを進めていくことが肝要と思いますが、区のお考えをお聞かせ下さい。
「子どもの安全対策について」
はじめに通学路の安全対策について伺います。
全国的に児童・生徒が登下校時に巻き込まれる交通事故が多発しています。警視庁が2017年~2021年に発生した交通事故を分析したところ、歩行中の小学生の死者・重傷者はこの5年間で2522人にのぼり、この中で878人、約35%は登下校中に発生しています。各自治体では通学路の危険個所の洗い出しを行ってはいるものの、安全対策は思うように進んでいないのが現状です。通学路を巡っては、ちょうど10年前の2012年に京都府亀岡市で集団登校中の列に車が突っ込み、児童二人が死亡する事故が起き、文部科学省が全国に安全点検と対策を要請しました。その後5年間で危険な約74000ヶ所で対策が取られました。しかし、昨年6月に千葉県八街(やちまた)市で児童5人が死傷する大きな事故が発生しました。この現場からは改善要望が出されながら対策が見送られており、専門家は「これだけの危険箇所が残っていることは驚きだ。予算には限りがあり、地域事情に詳しい保護者らの要望を把握した上で優先順位をつける必要がある。自治体間で対策の好事例を共有することも効果的で、国もこうした取り組みを支援してほしい。」と指摘をしています。
本区では、平成26年度に新宿区通学路交通安全プログラムを策定し、全区立小学校を5つのグループに分け、それぞれ5年に1回、学校や保護者、警察などとともに、通学路の交通安全総点検を毎年実施しており、対策が必要な箇所については、カーブミラーの設置や路面標示等の安全対策を講じています。令和3年度は88ヶ所について対策を講じ、令和5年度の6校の総点検を実施することをもって全29校の通学路において2回目の総点検が終了することになります。令和6年度以降については、引き続きこれまで分けたグループごとに、一年度につき5~6校を対象として、継続的に行っていくとのことです。以下質問です。
一点目は、小学生の交通事故について約35%が登下校中に発生しているわけですが、その中で一年生が交通事故に遭遇する割合が一番高いということです。特に一年生は好奇心が旺盛で、いわば「一人歩きデビュー」の時期でもあります。子どもの目線で、しっかりと時間をかけた安全教育が必要と思いますが、どのような対応をされているのかお聞かせ下さい。
二点目に、通学路の安全対策を行うにあたり、国の財政支援は必要不可欠です。予算の問題で対策が進まず、危険箇所が長期間そのままになっているということは、再び大きな事故につながり、尊い命が失われてしまう可能性があります。23区区長会等を通じてこの問題に対する予算要望については、どのようになっているのか、お聞かせ下さい。
三点目に、区内でも都市計画道路の整備や再開発事業などが各地域で行われており、それにより道路状況の変化も多くみられるため、現在の5年に一度行われている通学路の定期的な点検については、もう少しスピード感を持って、短期間で行うことが出来ないかお聞かせ下さい。
四点目に、登下校の時間帯に車両進入禁止となっている道路が各所にありますが、道路標識や車両進入禁止の看板が設置してあるのを無視して、進入してくる車両が散見されます。このようなことについて関係機関と協力し、取り締まりを強化して、通学の安全を図るべきと思いますが如何でしょうか?
次に、現在全国各地で多発している乳幼児等の集合住宅のベランダ等からの転落事故防止についてです。
先月、千葉市内のタワーマンションから2歳の男児が25階の自宅のベランダから転落し、死亡しました。東京消防庁のまとめでは、5歳以下の子どもが二階以上のベランダや窓から転落した事故は、2015年~19年に70件発生しました。東京都内では5月に江東区内のマンション4階の自宅ベランダから小学生の女児が誤って転落し、足や腕の骨を折る事故が発生、また、10月には江戸川区内の都営住宅の12階から4歳の男児が誤って外廊下の手すりを乗り越えたと思われる転落事故で死亡しました。転落防止対策として消費者庁は、一人でベランダに出られないよう、窓に補助錠を取り付けるほか、ベランダに踏み台になるような物を置かないことも有効としています。今夏、全国の5000人を対象にした調査では、窓に補助錠を取り付けた人は12.4%にとどまったということです。近年、住宅の高層化が進み、本区でも約85%が集合住宅に居住しています。
五点目の質問は、このように各地で発生している乳幼児等のベランダ等からの転落事故防止について、現在ではどのような対策を行っているのか?また、事故が多発している現状を踏まえた今後の対応について、どのようにお考えかお聞かせ下さい。
「生徒指導について」
小中学校の教職員が生徒指導の際に参考にする手引書「生徒指導提要」が、12年ぶりに見直されることになりました。子どもの視点からの権利がより重視される内容とのことです。これまで、生徒指導の見直しは、深刻かつ複雑化するいじめの発生や増加する不登校、外国にルーツを持つ子どもなど多様な背景をもつ児童・生徒の増加など、学校を取りまく環境変化を受け、文科省の有識者会議で検討されてきました。改訂版では、子どもの権利条約の原則に基づくことが強く打ち出され、子どもの意見を聞き、子ども同士で議論する必要性も盛り込まれる見通しで、不合理な校則の見直しなどにおいて、責任感や社会へかかわる意欲を持つことへの効果が期待されています。
また、授業や部活動における教職員からの暴力や侮辱、いわゆる「不適切指導」の記載も大きく変わり、連帯責任や事実不確認の不適切を例示しながら理解を促すようです。
本年6月に、子ども基本法も成立し、「子どもを成長させる」から「自ら成長するのを支える」と考え方が転換し、時代に即した指導が展開されることに期待していますが、有識者からは「教育現場では、ベテランを中心に旧来の威圧的な指導から抜け出せない人も少なくないのが実情で、一部の教員の子どもの人権への意識はまだ低いまま。」と、課題が指摘されています。
様々に多忙な教職員の現場で、こうした意識変換はなかなか一朝一夕には進まないものと考えます。「生徒指導提要」が新たに出されるまでに、段階的に理解を促すことも必要と考えますが、取り組み方など教育委員会のお考えをお聞かせください。
また、「生徒指導提要」の根幹となる「子どもアドボカシー」について、子どもたちへの理解促進はどのようになされているか、教えて下さい。
更に、子どもの人権とヤングケアラーの理解については、非常に関連性の深いものと考えます。ふれあい月間のアンケートなどでヤングケアラーの把握に努めているとのお話もありましたが、「子どもアドボカシー」の理解促進の場面でも、ヤングケアラーについて知見を深める機会となりうるものと考えますがいかがでしょうか。ヤングケアラーの把握促進の一助にもつながるものと思いますが、教育委員会のご見解を伺います。
校則のあり方についても伺います。児童・生徒ないし保護者から不合理と思われる校則に対して、本年4月に各学校に点検の通達を出したとのこと。学校によっては校則についての検討委員会が設けられたと聞いています。それぞれの学校が定める利点としては、各学校の事情や特色に応じた校則となることが挙げられますが、各学校でのバラつきにおける調整も必要とされる恐れがあります。これまで、報道などでクローズアップされてきた「髪型におけるツーブロックの取り扱い」などでは、子どもが学校、保護者や地域住民と議論を重ね、実際に校則を改めた事例などもあります。
今後は、校則や指導方法などで改善や疑問が訴えられた際は、どのような対応をしていくおつもりか、また校則のあり方をどのように教育委員会では捉えているか、ご所見を伺います。