老人ホームなどの施設で高齢者の世話をする職員や、高齢者の家庭を訪問して介護するヘルパーが足りない。
介護保険制度が始まった15年前から比べるとその数は3倍の170万人を超えるのだが、急激な高齢化で需要が急増しているので人材不足に陥っている。
介護の仕事に興味のある人は多いが、なかなか介護の現場に定着しないのが現実だ。
例えば、介護福祉士の資格を持つ人は、100万人を超えるが、その半数は介護の仕事に就いていない。
また、介護職場では職員の2割以上が一年間で入れ替わると報告されている。
仕事の大変さに比べて、賃金が低いことが大きな理由だ。
介護保険では、サービスの内容と時間によって報酬額が決まっており、その中で賃金や経営コストをねん出するため、賃上げが難しいと聞く。
また、キャリアアップしづらいことも問題で、専門性を高めても、仕事や給与に反映されないことが人離れを加速させる。
これからは、技術の向上や介護職の専門性を高めることなど、賃金の担保と併せて、待遇改善を進めることが重要だ。
また、元気な高齢者にも介護を担ってもらえるように、環境を整えていかなければならない。