本日は、10時から本会議が開かれました。
代表質問の2番目は私の出番。
11時を過ぎたところでの登壇となりました。
手前みそですが、しっかりと区長に区政方針などを質せたものと思います。
質問の全文は以下に掲載します。
「区政の基本方針と令和3年度予算案について」
新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延して一年、わが国は戦後最大の危機に直面しています。この影響により社会経済活動は大きく停滞し、それに伴い消費が大幅に落ち込み、雇用・所得環境も急激に悪化しました。また、国内外の感染症の動向が内外経済をさらに下振れさせるリスクや、金融・資本市場の変動などを鑑みれば、今後も景気動向は不透明な情勢であり、最大限の注意を払わなければなりません。
本区でも、感染拡大の防止と地域経済活動の両立を目指していますが、現在は二度目の緊急事態宣言が発出されている真っ只中であり、1日あたりでの感染者数は減少傾向にあるというものの、区民の日々の生活や区内中小企業者を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。
また、特別区と東京都で協議をして決定する都区財政調整制度は、調整税を区と東京都が共有する財源と位置づけ、一定の割合を特別区固有の財源として保障していますが、東京都が主体となり交付内容に強く関与している現状は、特別区の自主性を大きく妨げるものであります。令和2年度はその配分割合が0.1%増加はしましたが、令和3年度の本区の算定額は前年度比9億8千万円減少し、254億円となりました。
このように区財政は極めて厳しい状況ではありますが、新型コロナウイルス感染防止対策をはじめ、高齢者、子育て世代や生活困窮者などへの支援、高度防災都市化に向けた災害に強いまちづくり、老朽化に伴う公共施設の整備などに取り組んでいかなければなりません。質の良い行政サービスを提供し続けるためには、安定的な財政の基盤が必要です。
以下、質問致します。
一点目に、令和3年度の予算見積もりの基本方針の中に『「新たな日常」の要素を加え、事務事業を見直す』とあり、「新たな日常」の対応として「行政手続きについては、窓口の混雑緩和を進めるため、手続きのオンライン化等に向けた検討を実施します」とありますが、現在、どのような検討が進められているのか、お聞かせ下さい。
また、依命通達には、『「新たな日常」に照らし合わせ、事業のあり方や手法など、あらゆる角度から抜本的に検証し、その費用対効果をしっかりと見極め、事業の統合・再編・廃止を含め検討した上で、予算に反映することが肝要である』と述べられていますが、令和三年度予算にどのように反映しているのか、お聞かせ下さい。
二点目に、財源についてお伺いします。
各自治体では、医療、介護、子育て、防災・減災、雇用の確保など、喫緊の財政需要への対応をはじめ、長期化する感染症防止対策も迫られ、財政は巨額の財源不足が生じ、極めて厳しい状況に陥ることが予想されます。先に述べたように、本区においても歳出総額が前年度比37億円増加した一方で、歳入は、特別区税や地方消費税交付金などが減少し、財源不足額は82億円となり、財政調整基金の繰入は、前年度から43億円の大幅な増加となりました。加えて、国の極めて不合理な税制改正により、都市部から税財源が一方的に奪われ、23特別区全体の影響額は2500億円にも達するということですが、令和3年度の本区の影響額について、どの程度を見込んでいるのか、お聞かせ下さい。
三点目に、戦後最大の危機に直面している状況下で、行政需要は増え、一方財源は大幅に減少している非常事態の中、なんとしても早急に貴重な財源を国や東京都から取り戻さなくてはならないということから二点お聞きします。
これまでも国に対して、特別区長会から「地方税財源の確保に向けて」という要望書も提出され、本区議会としても同様の意見書を提出していますが、残念ながら状況は好転していません。区長のご見解と区長会等の動きをお聞かせ下さい。
また、都区財政調整制度については、透明性、公平性を高める観点から、「特別区交付金割合の2%への復元を実現するよう」、強く主張していただきたいと思いますが、区長のご見解をお聞かせ下さい。
「区内産業・地域経済の回復に向けた対応について」
感染拡大は、昨年4月中旬、8月上旬、そして今年1月上旬をそれぞれピークとする波状的な増減を繰り返しており、後になるほどピーク時の新規感染者数が大きい(波が大きい)傾向が見られます。現在は、いわゆる「第3波」といわれる時期にありますが、1月8日からの緊急事態宣言による人の往来や接触を伴う社会経済活動の自粛や制限の効果があってか、目下のところ日々の新規感染者数は減少傾向にあります。
しかし、今後も次のピークに向かう「波」がやってくることが十分に予想され、また期待されたワクチンも幅広く接種するには相当の時間を要するため、未だ予断を許さない状況といわざるを得ません。
このようなコロナ禍により、2020年の世界経済は需給両面で第2次大戦後最大の縮小を経験し、日本経済も5%を超えるマイナス成長に陥っています。
総務省の家計調査によれば、昨年4月から9月の勤労者世帯及び無職世帯の実収入は、すべての住民に一律10万円を給付した特別定額給付金の効果もあって増加したものの、10月以降はその効果が失われ、さらに失業率の増加や労働時間の減少などの影響が懸念されています。
また、家計調査の結果、昨年4月から9月にかけての家計の消費支出は前年比でマイナス10%程度であり、特に外出自粛に伴い、外食、被服及び履物、交通、旅行・宿泊及び交際費が大幅に減少したことが判明しています。これらの支出分野の縮小は、飲食店やホテル・旅館、また百貨店をはじめとする小売店が多く集まり、伝統産業である染色業のある新宿区に特に大きな影響を与えています。
さらに、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指すものとして、昨年10月から東京都でも始まった「Go to トラベル」や「Go to イート」などの需要喚起キャンペーン事業は、いわゆる「第3波」の深刻化に伴い停止され、さらに緊急事態宣言に伴う飲食店の時短要請や外出の自粛要請により、区内事業者も深刻な打撃を受けている状況です。
このため、新宿区においても、区内の産業・経済の回復に向けた取り組みが重要であり、その一端は「区政の基本方針説明」や令和3年度予算案にも見て取ることができます。この質問では、区の現状認識及び予算案に現れた事業の趣旨などについて伺います。
初めに、区では、四半期ごとに景況調査を実施しており、昨年10月から12月の第4四半期については、現在調査結果をまとめているところと思われます。
第4四半期における区全体及び業種別のDI推移や経営上の問題点、また特徴的な動向があればお聞かせください。
併せて、2020年の通年での区内の産業・経済の状況及び今後の見通しについての区の認識をお聞かせください。
第二に、新宿区令和3年度予算に計上されている事業のいくつかについて伺います。
まず、中小事業者に対して融資資金の利子補給及び信用保証料補助を行う「商工業緊急資金(特例)」については、今年度においても、昨年春の段階で資金需要が急激に高まったため補正予算を組んで拡充を行いましたが、現時点までの利用件数、執行額及び対予算での執行率をお聞かせください。
また、資金繰りに関しては国や東京都の施策が充実してきたこともあり、区の事業を利用する事業者は少ないのではないかとの指摘も考えられるところですが、令和3年度予算においても1308件分の事業費を計上した趣旨をお聞かせください。
次に、家賃減額を行った店舗等の賃貸人に対して、減額した家賃の一部を助成する「店舗等家賃減額助成」については、国の家賃支援給付金や東京都家賃等支援給付金と比較したとき、賃借人に直接給付するのではなく、家賃減額を前提としてその一部を賃貸人に給付する仕組みに特徴があります。
昨年この事業が創設された際には、この特徴的な仕組みのため利用者が増えないのではないかとの指摘もありましたが、現時点までの利用件数、執行額及び対予算での執行率をお聞かせください。
また、利用者が増えない中にあっても、減額家賃の一部を賃貸人に給付する仕組みを変更しない理由をお聞かせください。
次に、中小事業者が事業計画の策定や各種補助金・給付金を申請する際に専門家の支援を受けた場合の費用を助成する「専門家活用支援事業」は、昨年夏に各会派の要望を受ける形で創設されたものですが、今年度における事業の執行状況について、利用件数、執行額及び対予算での執行率をお聞かせください。
次に、小売り、飲食、サービス業を営む中小事業者を対象として、感染拡大防止対策や業態転換を支援する「おもてなし店舗支援」について、今年度における事業の執行状況について、利用件数、執行額及び対予算での執行率をお聞かせください。
また、来年度はグルメサイトへの登録経費、キャッシュレス決済システム導入経費、オンラインショッピングモールへの出店経費など、これまでの業態を転換し、販売促進を図る取組みに対しても支援を拡大することとされています。
しかし、グルメサイトへの登録、新たな決済方法の導入、オンラインショッピングモールへの出店などは、街場の中小事業者にとって技術的、心理的に取組みが容易でないことに鑑みると、区が想定するような活用が十分になされない可能性があります。
このため、「おもてなし店舗支援事業」自体の周知に加え、新たな取組みの有効性や方法などを説明し、活用を促す仕掛けづくりが必要となると考えますが、区の見解をお聞かせください。
第三に、中小事業者の資金繰りについてお尋ねします。
東京商工リサーチによれば、2020年の負債総額1000万円以上の企業倒産件数は7773件、前年7.2%減であり、国や自治体による大規模な資金繰り支援が一定の効果を上げているとされています。しかし、新型コロナ感染症関連の倒産(792件)の多くは新宿区にとって縁の深い飲食業、アパレル産業、宿泊関連業です。
さらに、負債総額1000万円未満の小規模な企業倒産は2000年以降で年間最多の630件であり、前年比23%増となっています。東京商工リサーチでは、「もともと過小資本で、経営基盤が脆弱な小・零細規模の経営環境はより厳しさを増している。売上回復が進まず、新型コロナ支援だけでは資金繰り維持が限界に達しつつあり、負債1000万円未満の倒産増加を招いている」と分析しています。
個人事業主についても、今後、持続化給付金や家賃支援給付金、感染拡大防止協力金等の効果が切れた事業者から、破産や廃業が増加してくることが予想されます。既に、区内の様々な地域で、空き店舗となってしまった飲食店跡が散見される状況です。
このような中、国や自治体による、さらに一歩踏み込んだ事業継続支援策が求められていると考えますが、区の見解をお聞かせください。
また、コロナ禍において一度破産や廃業により撤退した中小事業者が、この新宿において再起を図る機会がなければ、コロナ禍が去った後も街の賑わいを取り戻すことはできません。こうした中小事業者を支援する制度として、現在どのようなものが存在するのか、またその制度の利用を区としてどのように促進していくおつもりか、区の見解をお聞かせください。
「産後うつ対策について」
出産後、精神的に不安定になる「産後うつ」の傾向を示す母親が、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で増えているとの調査結果が出ました。
この調査は、筑波大学の松島准教授と助産師らで編成された研究チームが、子育て支援アプリを運営する企業と共同で出産後1年未満の女性を対象に、産後の心の状態をチェックする「エジンバラ産後うつ病質問票」を用いて行いました。その結果、産後うつ傾向を示した人の割合が6月では27%、10月では24%に上ったとのこと。ちなみに、世界保健機関(WHO)が公表している産後にうつ症状を発症する恐れがある割合は1割ほどとしていることからもこのコロナ禍による影響で危険度が高まっていることが十分に分かります。
この調査票には、「子どもが感染したらどうしよう。自分が感染して子どもにうつしてしまったらどうしようと思うと不安で仕方がなかった。」と生の声もつづられ、感染を恐れ、スーパーに行く頻度が減り、子育て支援の集まりも中止となり、専門家に育児のアドバイスを受ける機会もなく、育児のストレスが増えて、追い詰められていった様子が手にとるように分かります。
また、コロナ禍により地方にいる親が都会で子育てする娘の世話をしに行けないケースや出産時に夫が立ちあえず、面会もままならぬ状況が続くなど、家族の助けを得られぬまま孤立感を深めていってしまうことも多く見受けられたとのこと。
そうした調査結果を受けて、研究チームは「コロナ禍によって子育てのサポートや人との触れ合いが減ったことなどが、感染への恐怖心と相まって心理的に悪影響を及ぼしている」と指摘しています。
2019年11月、改正母子保健法が成立し、2021年度からは区市町村に産後ケア事業に取り組むことが課せられました。産後ケアには、「宿泊型」、「日帰り型」、「アウトリーチ型」の3つの支援があり、産後4カ月間を「ケアが必要な時期」として定め、厚生労働省ではこうした支援事業を行なう自治体に半額の補助を付けています。更には、出産から時間が経っても心身をケアする必要性やニーズの高まりから、来年度からはケアの対象を産後4カ月としていたものを1年間とするなど、支援強化が図られることが決まっています。
区のこれまでの取り組みでは、すくすく赤ちゃん訪問でのスクリーニングにおいて、状況の把握に努められてきたものと思います。「育児支援チェックリスト」「エジンバラ産後うつ病質問票」「赤ちゃんへの気持ち質問票」の3種類のスクリーニングツールを訪問した際に使用し、産婦であるお母さんの産後うつや虐待のリスクを客観的に把握し、必要に応じた支援へと繋げていくとしたものですが、ことコロナ禍では訪問が困難な状況なども想定した上での取り組みも必要です。
コロナ禍により、感染への不安から外出控えが続いたり、専門家に育児のアドバイスを受ける機会が減ったりしていることで育児のストレスが更に増え、追い詰められていく女性をそのままにしておくわけにはいきません。行政のサポートをより拡充して、産後うつに悩む人を一人でも減らす努力が必要であり、支援を広めていくことが重要です。
そこで伺います。ただでさえ大きな問題として取り上げられてきた産後うつへの対策について、コロナ禍の影響で更に状況が悪化する中、国も支援策強化に乗り出しました。そうしたことも受けて、区では今後どのような支援強化をお考えか、ご見解をお聞かせ下さい。
「アルコール依存症対策について」
新型コロナウイルス感染症の拡大により、自宅で過ごす時間が増え、アルコール依存症となってしまう方や断酒などによって治療を試みていた方々が元に戻ってしまうケース、または重症化し深刻な状況に陥るケースが増えてしまっています。
コロナ禍により、2つの危険がもたらされているとアルコール依存症に詳しい専門医は警鐘を鳴らしています。
1つは、アルコール依存症の手前にいた人が一気に悪くなる危険があるとのこと。在宅ワークにより夕方ぐらいから酒に手が伸び、自分なりの規制が緩くなって酒の量が増えてしまい、それが習慣化していくケースです。
もう1つは、これまで断酒などに取り組んでいた人が再発し、治療前に戻ってしまうケース。もしくは、更に酒量が増し、重症化してしまうなど、アルコール依存症と診断されていた人が深刻な状況へと陥る危険性があるとのことです。
また、コロナ禍によって医療機関での受診控えや自助グループなどのコミュニティが集まりを控えるなど、本人が治療への意識があってもなかなかうまく改善につながらないといった状況も生まれているようです。
世界保健機関(WHO)でも、こうした事態に危機感を募らせており、コロナ禍によって感じる恐怖や不安、退屈、社会的孤立に対処するために、アルコールや薬物に手を出すことを避けるよう警告を発しています。
厚生労働省の患者調査などによると、WHOの世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究に基づけば、国内でのアルコール依存症の生涯経験者は約100万人いるとされています。しかし、実際に診断を受ける人は5万人ほどにとどまっているとのこと。そうしたことからも隠れ依存症とされる数は相当数おり、こうした方々が一気に重症化し、医療を圧迫するようなことになれば、コロナ禍によりギリギリのラインで持ちこたえている医療現場が崩壊へ加速してしまうことは言うまでもありません。
そこでお聞きします。これまで区では各保健センターで相談を受け付けるなど、アルコール依存症への対策や予防に努められてきたものと思いますが、コロナ禍により支援拡充を図る、もしくは注意喚起を強める等の取り組みが必要と考えますが、ご所見を伺います。
また、同様のケースから飲酒量が増え、認知症の発症リスクが高くなることも問題となっています。特に、男性高齢者はただでさえ外にコミュニティを構築することが苦手な方が多く、引きこもりがちになるケースが多いとされており、コロナ禍を機にそうした点での悪循環が一層深まっていく可能性があるとのこと。
国内の研究でも、「施設に入所している認知症高齢者の29%は、大量飲酒が原因で認知症を発症したと考えられる」「過去5年以内に大量の飲酒経験のある高齢男性は、認知症のリスクが4.6倍になる」という結果が出ています。
そうした点からも考えますと、コロナ禍により外出を控え、自宅にいらっしゃる高齢者の方々へもリスクを改めて伝え、注意を促していく必要があるものと思います。健康部局のみでの対応にとどまらず、高齢者福祉の所管と連携した取り組みが求められます。区はどのようなご所見をお持ちか、お伺いいたします。
「35人学級について」
公立小学校の1クラスの児童数の上限が40人から35人に引き下げられることになりました。コロナ禍での3密の回避やこれまでのきめ細やかな教育を求める声の高まりなどから、約40年ぶりとなる上限見直しです。
コロナ禍による分散登校で少人数学級を経験し、要望が高まっていたとも聞いていますし、様々な事情から丁寧な指導が必要な子どもが増えていることも大きな理由とのこと。いずれにしても、「学級が増えれば教員の定数も増え、ゆとりができて子どもに向き合う時間も増える」と、児童や保護者、教職員の方々からは喜びの声が上がっています。
とはいえ、国際的に見ると35人はまだまだ大人数であり、そもそも文部科学大臣は「30人学級を目指す」としていたわけですし、国に先行し独自の少人数学級を導入してきた札幌市などでは「一人ひとりの学習効果を上げるには、もっと少ない方が良い」との検証が進んでいることからも、まだ道半ばといったところだと思います。
そこで伺いますが、教育委員会としては少人数学級について、どのような規模でなされることが最適解とお考えか、ご見解をお聞かせ下さい。
この度の35人学級に向けた動きで、中学校が取り残されたことや教職員の確保について課題があると有識者からは指摘されています。
教職員の確保についてでは、区に人事権がなく、人繰りについて解決を図ることができないことは存じていますが、現場を任されている自治体から教職員確保の仕掛け、仕組みを進言することは十分に可能であると考えますがいかがでしょうか。
能力を持ちながら非正規の立場で日々指導にあたっている中堅や若手の職員を正規教員として処遇するなど、教育の質にも十分に配慮した採用などは現場の協力なしには思うようになしえません。そこでお聞きしますが、教職員確保への工夫や区として取りうる対策について、都とどのように取り組みを進めていくおつもりか、ご見解を伺います。
また、先行して少人数学級を取り入れた自治体では、「必要な教員数が増えるも、ベテラン教職員が次々と定年を迎え、若手が増えたことにより、教職員の育成が重要となった」との検証結果が論じられ、研修プログラムの充実など教育の質の確保にも知恵が絞られているそうです。併せて伺いますが、35人学級実施に向けた教職員の育成について、教育委員会のお考えをお聞かせ下さい。
続いて、教職員の精神疾患について伺います。
文部科学省の調査では、19年度に公立小学校に勤務する教職員約41万人のうち、1%を超す4729人もの先生が精神疾患で休職したり、1カ月以上学校を離れたりしており、18年度ではそうした理由で457人が離職し、過去最多となっています。
業務量の増加による長時間労働、保護者からの過度な要求などが原因とされてきたことから、残業の上限を45時間とする指針が出されるなど改善を図る努力がされてきました。しかし、現在ではコロナ対応に追われ、それどころではないケースも見受けられ、業務環境の立て直しが必要との声も現場からは聞かれます。いずれにしても、35人学級の実施を見据え、教員の確保が課題となる中、業務の削減、外部人材やIT機器の活用などを通じて、一人ひとりが意欲と余裕を持って働ける環境を早急に整える必要があるものと考えます。
特にこうしたコロナ禍中、イレギュラーな状況が連続し、授業の遅れを取り戻すための過密なカリキュラムの設定、行事の見直しなどに付け加え、消毒など児童・生徒の感染予防や心のケアなど教職員の負担が増したことで、教育現場はギリギリのところまできています。
そこで伺います。教職員のメンタル面のサポートなど、問題の解決にあたり注力すべき点や気配り目配りを強めるなど予防にも一層の取り組みが必要と考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせ下さい。