決算委員会(最終日)

2020年10月01日

  本日は、10時から決算委員会が開かれました。   決算委員会の最終日となり、各出席会派からのしめくくり質疑です。   私は、10時26分~11時05分の計39分間、質問に立ちました。   款項別質疑からこちらに回したもの、新規にこしらえたものなどから「人材育成について」、「学習支援のオンライン化と教育格差について」、「子どもの口内環境の悪化や運動不足について」、「風しん対抗検査について」、区の見解を質しました。<以下、全文掲載>   「人材育成について」 ○人材育成では、様々な研修や自己啓発支援が行われたとありますが、どのような事がなされたのか、そうした研修や自己啓発支援により、どのような効果があったとお考えか、伺います。 ○今月に出された令和2年度定期監査(前期)結果報告書によれば「職務経験年数が10年以下の職員が4割を超え、世代交代が進む中、職務に対する知識と技術の継承が大きな課題である。また、人材育成における職員研修について、基礎力をはじめとして職員の能力が十分に発揮されているとは言えない状況にある旨を指摘してきた。」とありますが、これに対してどのような意見をお持ちか、伺います。 ○監査報告書には、「職務に対する知識と技術を円滑に継承するためには、管理監督者の支援はもとより、知識や経験の豊富な職員の能力を活用できる組織体制が必要であり、組織としてのチェック体制が十分に機能しなければ、不適切な事例は繰り返され、区民の信頼を大きく揺るがす結果となる。」と厳しい総括がされています。しっかりとそうした指摘に留意した取り組みを求めます。 また他方で、行政と様々な関わりや協力の関係にある団体などからお話を伺うと、往々にして「委託が進んだことにより、現場を知らない職員が増えたと感じる。」とのことです。区民に寄り添った区政を行なうということならば、現場を知ることは必須と考えますが、職員の研修、経験ということでどのような取り組みがなされているのか、伺います。 ○続いては、教職員について伺います。コロナ禍以前より、教職員の精神疾患による休職者数が高止まりしていることが問題としてあげられてきています。こうした状況の推移を教育委員会はどのように把握しているか、お聞かせ下さい。 ○現場からの声では、授業の遅れを取り戻すための過密なカリキュラムの設定に付け加え、行事の見直し、消毒など児童生徒の感染予防や心のケアなど、教職員の負担増に対する悲鳴が聞こえてきます。学習指導の支援に関しては、学習指導サポーターの新規設置で解決を図ることも可能だと思われますが、メンタル面でのケアや消毒などに関しても何らかのサポートをつけるべきと考えます。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの充実を図るなど、教育委員会のお考えになる対策についてお聞かせ下さい。 ○現場からの要望では、コロナ対策として区内全教職員へのPCR検査の定期的な実施を求める声があがっていると聞きます。他自治体などでは、介護や保育の現場におけるPCR検査の優先度を上げる取り組みなどが各種報道で紹介されています。そうしたエッセンシャルワーカーと言われる方々と同様に教職員へのケアも考えられるべきと思いますが、教育委員会のお考えを伺います。 ○教職員が疲弊し、痛むと児童生徒への学びや教育にダイレクトに影響が出ます。そうした点からも万全の体制を整えることは影響が顕在化する前の喫緊の課題と考えます。どうぞ各学校任せだけにすることなく、教育委員会の方でも十分な手だて、配慮をお願いします。   「学習支援のオンライン化と教育格差について」 ○千葉県では、休校中のオンラインなどによる学習支援において、子どもたちがどこまで理解出来ていて、学校として授業をどのように先に進められるかを測るため、県内の小中学校を対象に調査を行いました。その調査によると、小学校6年生や中学校3年生で「家庭学習が定着せず、再度授業で学び直す内容がある」との回答があった学校が88%を占め、以外の学年でも86%にのぼったとのことです。この調査結果を受けた教育指導課は、「予想より授業をやり直す学校が多く、厳しい状況だ」とのコメントが出されていました。 そこで伺いますが、各学校の理解習熟度について、教育委員会はどのように把握に努めているのか、お聞かせ下さい。 ○また、千葉県では再開後に必要となる授業時間についても調査がされており、3週間から4週間と答えた学校が最も多く24%、6週間以上必要とする学校は14%もあったそうです。通常の軌道に回復するのに要する時間について、教育委員会はどのように把握をしているのか、ご見解を伺います。 ○「長期間の休校中の子どもの学びを把握することは、教育行政にとって欠かせない。現状を把握せずして改善はないのに多くの自治体で調べが進んでいないのが現状。」と、早稲田大学教育社会学の松岡先生は指摘されています。学校や児童生徒の家庭環境などによって、理解習熟度や必要とする時間にバラつきが生じるものと思われますが、児童生徒に不利益が生じず、公平性が保たれるために教育委員会ではどのような形で対処していくことが最適解とお考えか、ご見解をお聞かせ下さい。 ○また、早稲田大学の松岡先生は「こうした調査結果は、単なる集計にとどまらず、就学援助率のデータなどと重ね合わせれば、家庭の経済状況との関係なども明確になり、そうした点でも有益な情報足りえるものとなる。」ともおっしゃられており、調査すること自体が今後の広がりにもつながる取り組みであると考えますが、休校中の勉強法や過ごし方など生活に関するアンケートについて、教育委員会はどのような見解をお持ちか、お考えを伺います。 ○早稲田大学の松岡先生はこうもおっしゃられていて「行政職員だけで調査設計や分析が難しいようなら、大学などの研究機関や研究者の力を借りるという手だてもある。」とのこと。そうした協力を仰ぐことも検討する必要があると考えますが、教育委員会のご見解を伺います。   「子どもの口内環境の悪化や運動不足について」 ○小中学校での歯科検診実施はどのような状況か。 ○学校再開を受け、やっと歯科検診を実施したところではどのような報告を受けているか。 ○他自治体では、検診した歯科医師からコロナ禍による休校の影響と考えられる口内環境の悪化が指摘されている。「登校日なら学校では通常間食はしない。ところがコロナ禍による休校で家におり、そこには菓子やジュースがある。暑さ対策として、糖分の多いスポーツ飲料を多く飲むケースも増えた。それらが原因となり、汚れ、虫歯、歯肉炎がこれまでにないレベルで見受けられた」とのこと。コロナ禍で歯科医院の受診を控えることも予想される。 早期の対策を講じなければ、子どもの口内環境の悪化に歯止めはかからず、大変な事になる。 注意喚起や予防啓発はどのようになされるのか、ご見解を伺います。 ○また、運動不足による怪我などが増えていると聞いています。高齢者の運動不足同様の兆候が表れていると校医の方々など現場から指摘がなされています。そうした点での対策はどのように行われているのか、また再度休校というような措置があった場合、オンラインで体操や運動といった事も取り入れていく必要があると思うがご見解を伺います。   「風しん抗体検査について」 ○これまで区は、麻しん・風しんの抗体検査、予防接種と様々な形で、取り組みを強め、何とか水際で防いでいこうと努力をしてきたものと思います。風しん流行への心配もさることながら、改めて問題とされるの、妊婦が職場や人が集まる所などで感染してしまうと赤ちゃんに目や耳の障害、心臓の病気「先天性風しん症候群」が出る恐れがあることです。「抗体のない男性が風しんをうつした自覚のないまま、妊婦は誰にうつされたか覚えもないまま、赤ちゃんに障害が生じてしまう」、「感染症は被害者になると同時に加害者にもなり得る」として、厚生労働省は患者の中心とされる40から50代の男性が無料で対抗検査とワクチン接種が受けられるようになりました。 風しん抗体検査やワクチン接種のクーポンが配布されたが、コロナ禍の影響もあり苦戦が伝えられている状況ですが、区ではどのようになっているか。(検査を受ける数を国の3月時点で、330万を見込んでいたが143万人にとどまっている) ○以前の決算委員会でも周知等の対策についてお伺いしたところ、 「周知の方法につきましては、国、都とも連携しながら進めていきたいと思っておるんですけれども、今回の風疹第5期の特徴としましては、今受診率のところでは国も区についても難航している状況ではありますけれども、働く世代の男性を対象にしているということで、今までにはない、クーポンを持っていれば全国どこでも健診の機会などを利用しても抗体検査が受けられるというような働く世代の男性がなるべく受けやすいというような工夫されたスキームで、実施をされているところでございます。ただ、実際にその方々に対象者であり、無料で抗体検査が受けられて、低い場合には無料で予防接種も受けられるということにつきましては、今後多くの方に知っていただけるように進めていきたいと思っております。」とのお答えでした。どのような事が具体的になされたのか、お聞きします。 ○検査を受けやすくするように、会社など事業所の健康診断時や当該世代が集まる状況を捉えて協力をお願いしていくことが必要だと考える。それには部局を横断した連携が必要となるが、そうした取り組みはなされているのか。 ○風しん抗体検査では、こうした苦戦が強いられている状況ですが、これから無料で接種ができる年代を広げた形でインフルエンザの予防接種がスタートします。コロナとインフルエンザの両にらみの対策は困難を極めることが予想されるため、予防接種の進捗が対策の成否において大きな鍵を握るといわれています。コロナ禍での風しん抗体検査が進まぬ理由と同様に、予防切接種になかなか足を運びづらいということが考えられますが、そうした点をどのように解決するおつもりか、お考えをお聞きします。     各会派からのしめくくり質疑も順調に終え、最終討論でそれぞれが態度を表明し、採決となりました。   討論には私が立ちましたが、令和元年度予算は概ね適正に執行されたものと認め、四会計歳入歳出決算の認定に賛成しました。<以下、討論全文掲載>   <令和元年度四会計歳入歳出決算・討論> 認定第1号から認定第4号までの決算について、会派を代表し討論いたします。 令和元年度予算は、「区政課題への柔軟な対応を図りつつ、限られた財源の効果的配分により、持続可能な行財政運営の確立を目指す予算」と位置づけ、第1に、社会経済情勢の変化に対応しながら、区が直面する課題に重点的な財源配分を行い、迅速かつ的確に取り組むこと、第2に、行政評価や決算実績などに基づくPDCAサイクルによる事務事業の見直し、内部管理経費の精査など、徹底した経費削減に取り組むとともに、一層の歳入確保を図ること、この2点をテーマに編成されました。 本区の令和元年度決算については、実質単年度収支が七年連続の黒字となり、五年連続して財政調整基金からの取り崩しをしない決算であった上、積立基金残高の44億円余の増加や後年度負担額の2億円余の減少など、昨年度に続き改善された点も認められます。年度の終盤には、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する緊急的な事案に対して、補正予算や予備費を充当するなどの対応がなされました。 決算審査においては、「プレミアム付商品券事業における申請率の低さや、そもそもの国による事業設計の不合理性」、「コロナ禍における災害時の避難体制」といった点を指摘しました。 他方で、令和元年度末から各所で感染症対策など緊急的な対応が求められる難しい環境の中、予算自体の執行はおおむね適正にされたものと認め、認定第1号から認定第4号まで、いずれも賛成いたします。 区財政においては、法人住民税の一部国税化やふるさと納税など国による不合理な税制改正による減収、扶助費をはじめとする義務的経費の増加、新型コロナウイルス感染症拡大からの社会経済状況の悪化による特別区税や特別区交付金などの歳入の大幅な減収など、さらに厳しく不透明な財政運営となることが見込まれます。 そうした中、「新たな日常」の構築への取り組みとして、感染症拡大防止対策をはじめ、高齢者や子育て世代への支援などだれもが安心して住み続けられる環境の整備、災害に強い安全で安心なまちの実現、魅力あふれる賑わい都市の創造と地域の特性を生かしたまちづくりなどの重要な施策に取り組んでいかなければなりません。 また、本委員会において我が会派が申し上げました「公共施設マネジメントの推進において区民意見を反映させるプロセスの確立」、「地域における多文化共生施策の推進」、「特殊詐欺対策における消費生活地域協議会の活用」、「費用対効果を意識したGIGAスクール構想を初めとする教育ICTの推進」など、意見や提案を取り入れていただき、今後続くと思われるコロナ禍において何よりも区民の命・生活を第1に考え、将来を見据えた来年度の予算編成及び区政運営を行っていただくことを要望し、討論を終わります。     9月17日から、過密日程の決算審議となりましたが、今回もしっかり質問できたものと思います。   10月5、6日と常任委員会、7日に特別委員会が開かれ、各委員会にかかる議案の審査を行ない、10月12日の本会議で採決となります。   気を抜くことなく、もうひと踏ん張り頑張ります。  

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