本日は、10時から本会議が開かれました。
午前中は、昨日に引き続き代表質問です。
午後から、一般質問に入り、私は14時過ぎに登壇しました。
全文は、下記に掲載しますが、基準緩和が予定されている学童保育についてと道路改修方法で注目される町田市の取り組みなどを紹介した質問をしました。
一般質問後は、それぞれの議案が説明され、各委員会に付託されて、本会議は散会。
本会議後は、予算委員会が設置され、委員や時間割が決められました。
今回、私たちの会派から出される予算委員は、志田さんと久保さんです。
舌鋒鋭く予算について質してくれるものと思います。
私も傍聴席から応援したいと思います。
「学童保育の基準緩和について」
学童保育の基準緩和についてお伺いします。
共働きやひとり親家庭の小学生が放課後を過ごす学童保育ですが、働く女性の増加に伴い保育園と同様、学童保育のニーズは年々高まっています。
厚生労働省の全国調査によると、2017年5月1日時点の利用登録は117万1162人、待機児童は1万7170人とその数は年々増加傾向にあるとのことです。
新宿区では2018年4月1日現在、利用登録は1,796人、待機児童は45人と全国調査とほぼ同様の傾向で数字は推移しています。
そうしたニーズが高まっていく中、学童保育を子どもの発達や安全を保障するのにふさわしい場所にしようと、厚生労働省の専門委員会で運営や基準のあり方などが議論され、2015年に「学童保育の運営にあたっての最低基準」が策定されました。
また、この策定により賃金の低さや不安定な雇用が課題であった職員の地位向上を図り、なり手不足の解消につなげたいとの狙いもあったようです。
そうして決められた学童保育の運営にあたって「従うべき基準」は、全国一律のルールで▽1教室(約40名定員)に職員は2人以上▽そのうち1人は保育士や社会福祉士など一定の条件を満たし、かつ、都道府県の研修を受けた「放課後児童支援員」とする、などとなっています。
子どもの発達や安全について、保育事業などでは一層の努力や改善が求められる中ですが、こと学童保育においては、「待機児童の増加に対応するには、自治体の裁量に委ねるべき」との全国知事会などの要請に応え、児童福祉法を改正し、次年度から職員の配置や資格の基準を事実上、撤廃しようとする動きがあります。
昨年11月の内閣府地方分権有識者会議の専門部会にて、学童保育にあたっての「従うべき基準」を「参酌すべき(参考にすべき)基準」に変更する方針が示されました。
「参酌すべき基準」ということになると、自治体が基準に従う義務はなくなり、従来通り厚生労働省の基準に沿って運営することも、条例改正して独自の基準を定めることも、自治体の判断に委ねられることになります。
そうなれば、2015年にできた全国一律の基準は4年でなくなってしまうこととなり、自治体の考え方次第では、保育士などの資格がなく研修も受けていない人が、一人で子どもを預かる学童保育が可能となります。
こうした動きを受けて、現場や有識者からは戸惑いや不安の声が上がっています。
現場からは、「40人の子どもたちを2名の職員で見るのが多すぎるというのか」「おやつ時にアレルギーのある子や誤食のチェックが行き届かなくなる」などの意見が出ている他、保護者からは、「子どもの安全や発達が確保されないのではないか。」「質の悪化は避けられず、見過ごせない」との心配の声も聞こえてきます。
また、学童保育の運営にも携わる元帝京大学教授の村山先生からは「子どもの個性や発達段階に応じた保育が置き去りにされ、管理するだけの保育が行われかねない。」と危惧が述べられ、「子どもと向き合う仕事の専門性も軽視されている。」と指摘されました。
現場でも、「誰でもできる仕事だと思われてしまえば、待遇や職場環境の悪化を招き、なり手が少なくなりかねない。」と、負のスパイラルへ転じることへの不安も出ています。
学童の指導員や保護者らでつくる民間組織「全国学童保育連絡協議会」は、食物アレルギーや虐待、貧困へのケアなど、現場でのきめ細やかな対応が必要な状況を指摘した上で、「質を軽視しては、子どもたちの安心・安全は守られない」と訴えて、基準緩和に反対する署名活動を行いました。
昨年4月から20万筆を超えるとても多くの署名が集まり、国会に提出されたことから、この問題への社会的な関心の高さも分かります。
そこでお聞きしますが、法改正がなされ、学童保育についての基準緩和がなされた際、新宿区ではどのような対応をお考えですか。
指導員や保護者の方々から見直し後の質や安全についての心配の声にどのようにお答えになるおつもりか、ご所見を伺います。
「道路等不具合通報アプリについて」
道路等の不具合通報アプリについてお伺いします。
「道路に穴が開いている」、「カーブミラーが壊れている」、「街路灯が消えている」など度々担当する部署へ、区民の皆さんから不具合についての連絡があるものと思います。
私なども地域の方から「あそこの電灯切れているから、代わりに言っておいてよ。」などと依頼され、連絡したことが何度もあります。
不具合を発見した方からの連絡が入った際には、道路課、みどり公園課等々の職員が対応することになります。
街路灯やカーブミラーなどはそれに表示されている番号などを聞くことで通報の場所を特定することもできるのでしょうが、道路の破損などの場合ではそう簡単にはいきません。
連絡を受けた職員は地図を開き、会話をしながら場所を特定していくわけですが、不具合に遭っている区民の側が細かい場所について分からなかったり、うまく状況を伝えられない場合など、お互いがヤキモキしたりするケースも想像に難くありません。
このようなことは、どこの自治体でもあることなのでしょう。
そうした対応の際に、イライラを募らせた方々が多かったことや効率性を考えた上で、町田市では市民の力を更に取り込み、道路修繕などにおいて迅速に対応を促す仕組みとして、スマートフォン用の専用アプリの開発を行ない、配信を始めました。
この新しい道路等不具合通報アプリ「みちピカ町田くん」の使い方は簡単で、市民が街での不具合を見つけたら、現場写真を遠近2枚撮影し、不具合内容を一覧から選ぶと自動的に宛先が表示されるので、そのまま送信するだけです。撮影場所がGPS機能で特定できるので、細かな説明はいりません。
通報してくださった区民、その場所を特定する職員、共にストレスなく、迅速に対応が可能になるこうした仕組みですが、区も研究や導入を検討されたらいかがでしょうか。
また、こうしたアプリは、街のバリア発見や改善に緊急性を感じるものへの通報などにも用途拡大が可能になっていくとのことです。
障がいをお持ちの方、高齢者、ベビーカーを押す子育て層など、「ここの段差で躓いた」「ここの坂には手すりがなく苦労した」「この施設にはスロープがなかった」など、街の様々なバリアやヒヤリハットを通報してもらうことで、現場がどのような状況にあり、施設利用者や通行する方々が日々どのように感じているのかを把握することにも力を発揮できるだろうと期待されているそうです。
道路や施設を担当するところだけではなく、障がい者福祉、高齢者福祉、子ども子育てなど、様々な部署を横断した形での使用も考えられるこうした仕組みについてですが、区はどのようなご所見をお持ちか、お伺いします。