高齢者を狙って現金をだまし取るなどのトラブルが増えている。
振り込め詐欺(お母さん助けて詐欺)をはじめ、健康食品の送り付け商法や複数の業者が役回りを演じる劇場型勧誘など、新たな手口が次々と現れ、対策を敷いてもいたちごっこの様相だ。
被害者は、65歳上の高齢者に集中しており、同じ人が何度も繰り返し狙われる二次被害も目立っている。
高齢者が狙われる背景には、高齢者が抱える「健康」「孤独」「お金」の3つの大きな不安要素がある。
「~が治る」「~を防ぐ」など健康への不安を突かれるともろく、安心した老後のための資金を増やすと持ち掛けられるとつい信用してしまいがちだ。
また、高齢者は一人で過ごす時間が多く、話し相手が欲しい人も少なくない。
そこに付け込んで、親切に近寄り、多額の契約を結ばせる悪質な業者もいると聞く。
こうした被害をなくしていくためにも、地域で高齢者を見守るネットワークの構築が必要だ。
孤立しがちで情報が届きにくい高齢者の自宅訪問などを強化して、防止のアドバイスや被害の早期発見を行うことが重要だ。
安全で安心して暮らせる地域社会を築くためには、地域の協力・連携体制が不可欠だ。
悪質業者の入り込むスキのない、タフな地域づくりに注力していきたい。