首都直下地震や南海トラフ地震の発生が想定される中、減災・防災の計画が新たに進められている。
大規模災害が起きた場合、被災自治体だけでは対応できず、広域応援が想定されるが、受けいれ体制がなければせっかくの善意も活かすことはできない。
そこで、防災計画等に受援という観点を取り入れる自治体が増えている。
受援の重要性が認められるようになったのは、東日本大震災で被災自治体が応援職員らの力を十分に活用できず、ボランティアを断ったケースや支援物資が集積地点で滞ったことがきっかけだ。
最近では、広島市の土砂災害でもボランティアの活用で混乱があり、一部断ったケースがあったと聞く。
受援計画は、応援部隊の活動拠点や物資の集積場所を設けることだけではない。
受け入れたものをどう配分し、動かし、活用するかがとても重要で、受け入れるだけでなく、支援を求める被災者にどうつなげるかが鍵を握る。
どの時期にどんな業務がピークを迎え、誰が何を担うのかを事前に精査しておかないと対応できないと聞く。
阪神・淡路、東日本と大震災を経験し、そこから得られた教訓を活かし、しっかり備えることが肝要だ。
事前の体制準備に手を抜くことは許されない。