高齢者の住まいとして、空き家の活用を考える。
2011年の高齢者住まい法により、特養ホームに代わる「サービス付高齢者向け住宅」の仕組みができ、かなりの件数が登録されたが、低価格だというだけで、利便性の悪い場所に、低質で最低限の広さを確保しただけの住宅も少なくない。
「住所地特例」といって、転居前に住んでいた自治体が、移り住んだ特養などの介護費用を負担する制度もあり、土地の安い所に高齢者を集める動きに拍車がかかる。
こうした動きが進むと、当たり前だが高齢者の住んでいた元の家は空き家となる。
生活スタイルが変わった現在、立派な家や部屋数の多い家ほど、売れずに空き家になりやすい。
また、空き家は放火の危険性や防災の上でも様々に問題が多い。
シェアハウスや福祉施設、グループホームに転用しようにも、建築法や福祉の法制度、自治体の条例など、なかなかハードルが高い。
こうした法や条例を、時代に即した形に見直す必要がある。
地域の空き家や空き地を活用し、戸建て住宅に数人で生活できるように変えていくことで、費用を抑えながら、住み慣れた街で高齢者の居心地の良い場所を確保できると考える。