認知症などで判断能力が衰えた人の権利や財産を守る成年後見人。
本来、味方である後見人が、本人のお金を着服するなど事件が起き、度々問題となっている。
成年後見人制度は、親族などが申し立て、後見人を家庭裁判所が選ぶシステムだ。
なぜ、不正が起きるのか?
様々なケースがあるが、
○財産管理など幅広い代理権が与えられるため、それを全て委任されたことと思ってしまうケース
○「いずれ自分が相続する」「面倒をみているのだから」と自己判断するケース
など、罪の意識なく勝手にお金を使ってしまうことが多いようだ。
専門家は、「親族という私的な立場から、後見人という公の立場に意識を切り替えるのは難しく、そこに問題の起源がある。」と言う。
最近では、「後見人制度支援信託」といった制度もある。
これは、本人の財産のうち日常的に使うお金は後見人が定期的に受け取り、管理する。
以外のお金は、信託銀行に預けておく仕組みだ。
ただ、この制度は不正防止につながるが、相続を期待する親族がもめるケースが多いと聞く。
高齢化に拍車がかかる中、成年後見の必要性は年々高まっている。
一長一短、ハードルは高いが、不正防止のための対策を今後も追求しなければならない。