本日は、10時から予算員会が開かれました。
昨日に引き続き、款項目別の質疑です。
今日の教育費にまつわる質疑での、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた授業について」は、インターン生の石井さんが考えたものです。
質問全文は以下に掲載します。
<土木費>
○駅のホームドア設置
京王新線新宿駅にホームドアの設置が予定されています。区内全駅で整備完了を目指し、平成29年度より順次整備を進めていくとのこと。低コストの新型や昇降式ホーム柵なども出てきていますので、早急な完備に期待がかかりますが、小田急線新宿駅をはじめ、JR大久保駅、東西線落合駅、西武線下落合駅、中井駅の5つの駅では、未だ計画も立っていないとのことです。費用が大きなハードルとのようですが、鉄道事業者任せにせず、区も低コスト型などの設置などしっかり勉強し、前向きに提案していくことも必要と感じます。お考えをお聞かせ下さい。
また、ちゃんとしたホームドアがすぐに設置が難しい場合、柵やロープ式の簡易な転落防止の措置はできないのか。また、そうしたものの検討は進んでいないのか、ご所見をお伺いします。
○分譲マンションの適正な維持管理について
スラム化、不法民泊利用防止のためのマンション再生支援が必要です。日銀がマイナス金利政策導入から、住宅ローンや企業向け貸出金利が下がり、借り手にメリットが出ています。最近では、個人が資産運用で行なうマンション購入向け融資が急増しているとのこと。需要を上回る勢いでマンション建設が進んでおり、東京では新築2年目以降の空き室率が3割超と過去最高水準に達しているとの調査結果が出ています。新しいものが建つのに、古いものをわざわざ借りる人はいません。また、マンションと共に高齢化した住人が年金生活者となれば、改修費用の捻出が難しくなり、棟全体での大規模な改修の承諾がとれず、老朽化の坂を下る一方になります。より一層、売ることも貸すこともできなくなり、負のスパイラルにはまり込むことになるわけです。建ってしまうものを止めること、供給量をセーブすることはできませんが、都市部でのスラム化を防ぐために、何か手を打つ必要があると考えます。こうしたこと状況を、区はどのように捉え、対策していくのか、ご所見をお伺いします。
<教育費>
○発達障害の小中学生の学びを支える通級指導について
発達障害の小中学生の学びを支えるため、一部の授業を別室で行う「通級指導」という制度があります。通級指導は、コミュニケーションが苦手などの発達障害がある子や視力や聴力に比較的軽度の障害がある子らが対象に行われます。文部科学省は発達障害と診断される子の増加を受け、専任教師を追加してきましたが、通常学級の小中学生の6.5%に発達障害の可能性があるとの試算もあり、希望しても通級学級を受けられない状況が考えられます。発達障害教育を専門とする柘植筑波大教授は「通級による指導で、発達障害で生じる落ち着きのなさなどが改善するだけでなく、担当の専任教員が保護者の相談相手になり、通級学級の担任への助言役にもなる利点がある」と指摘しています。他自治体では、通級待機も出ていると聞きますが、新宿区の状況はいかがか、お聞かせ下さい。
通級指導の教員一人当たりの子ども数が16.5人から13人になります。教員数の増の権限は区にありませんが、補助員などを配置し、厳しい状況の緩和を図るなど前向きな配慮が必要と考えますがいかがでしょうか。
小学校では、学びの教室で教員が各学校を回る取り組みがあるとのこと。合理的配慮を公的機関に義務付けた障害者差別解消法の観点から見ても、全ての学校で受けられるようにする必要があるものと考えます。中学校にもその仕組みを整備すべきと考えますがいかがでしょうか。
○東京オリンピック・パラリンピックに向けた授業について
2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、子どもたちに様々なスポーツの経験や知識、または興味を持ってもらうことが、大会成功の大きな鍵を握るものと考えます。現在の小学校の体育の授業は、学習指導要領に沿って指導計画が作られていますが、室内外の授業の中で、サッカー・バスケットボールなどを取り入れている学校が多いと聞いています。ただ、こうしたスポーツは普段から部活などでその競技に慣れているかで差がでてしまい、授業を楽しめない子もいるのではないでしょうか。そこで、オリンピック・パラリンピックを見据え、月並みなスポーツだけでなく、そこで行われる比較的マイナーなスポーツにも光を当て、授業に取りいれてみるのはいかがでしょう。ルールや競技の面白さを知ることで、機運の盛り上がりにも効果はあるものと考えます。お考えをお聞かせ下さい。
また同様に、授業に「障がい者スポーツ」を取りいれるのはいかがでしょうか。パラリンピックの成功が、大会成功の重要な事項と言われる中、そこで行われる競技に関して、知らない、分からない、興味がないということでは、何も始まりません。そうしたことから、千葉市は新年度から、パラリンピックの競技を小中学校の授業に採り入れる方針を固めました。小学校でゴールボール、中学校ではシッティングバレーボールを教える予定とのこと。2020年東京パラリンピックに向け、市は障がい者スポーツへの理解促進を掲げており、大会に向け、授業を通じて子どもたちに競技の魅力を伝えようという試みです。現在は、専用の用具をそろえる都合もあり、モデル校のみで行うようですが、将来的には、全ての学校で展開する予定。新宿区もこれまで、小学校の体験授業や地域の育成会などの取り組みとして、ブラインドサッカーやボッチャが行われていることは存じています。少しでも新しい経験ができるとともに、パラリンピックの種目にも興味を持ってもらえるように、こうした競技を体育に取り入れることはできないのか、お考えをお聞かせ下さい。
スポーツの機会を子どもたちに与えるという点で、新宿区では新宿コズミックスポーツセンターと協力したり、協働として一般社団法人地域スポーツ推進クラブCriacao(クリアソン)とプロジェクトを進めていったりと、様々な活動をしています。その活動自体は良いのですが、定員に限りがあるため、あまり多くの子どもたちに経験してもらうということができていないように思われます。そこで、学校と連携していくことで、幅広く多くの子どもたちに、そうした機会を与えることはできないものでしょうか、ご所見をお伺いします。
いくつか提案をさせていただきましたが、たくさんの子どもたちに新しい経験をしてもらうとともに、マイナーなスポーツや障がい者スポーツの知名度を上げて、オリンピック・パラリンピックの成功に向け、各部署一丸となって取り組んでいただきますよう要望いたします。