本日は、10時から決算員会が開かれました。
連日10時から17時過ぎまで、がっぷり四つの款項目別の質疑が続いています。
中日休みがあれば、リフレシュできるのですが、少々疲れがたまってきました。
本日は、昨日から引き続いて子ども家庭費、次いで健康費、環境清掃費、土木費についての質疑です。
健康費の款では、
①がん検診について
環境清掃費の款では、
②ゴミ分別アプリについて、職員体制の強化について
、質しました。(以下、全文掲載)
①がん検診について
がん検診の受診率の向上に関して質問したいと思います。1つは、第四次の実行計画では、平成29年度までにがん検診の受診率は50%を目標となっており、国もこれを遂行せよとのお達しです。現在の受診率の状況は、皆さん一生懸命やっていただいていることもあり、H27年、胃がん12.8%、大腸がん21.3%、肺がん18.2%、乳がん25.6%と、H26年と比べ、どの受診率も伸びてきているという結果ですが、何が効果的だったとお考えか、お聞かせ下さい。
しかし、このままでは目標の50%に届くのに、相当の努力をしないと達成は難しいと思うのですがいかがでしょうか。
区民健康づくり意識調査を実施されたということで、23区にアンケート調査なども行われたとのことですが、この調査から今までとは違った視点を採り入れ、新たな工夫につながったという点は何かありますか。また、他の自治体の良い面を取り入れようというような研究、検討はどのように進められていますか。
新たに、内視鏡検査も取り入れていくことになるようですが、受診率に影響はあるとお考えでしょうか。
一番伸び幅も少なく、トータルの数字も低い、胃がん検診についてお聞きします。受診率が上がらない要因は、「受診者が『受けよう』という気持ちにならないこと」がトップで637件(74.1%)、次いで「検査方法がバリウムのX線検査に限定されていること」が416件(48.4%)だった。なお、検査方法がバリウムによるX線検査(集団・個別を問わず)に限定されている自治体は691件(80.3%)だった。バリウム検査の問題点については、「飲むのが苦手、ローリングが苦手という人が多い」が約9割を占めました。
色々と他区の調査もしてきたということなので、昨年に引き続き改めてABC 検診について聞きます。ABC 検診とは、ヘリコバクターピロリIgG 抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌感染の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクをA,B,C,Dの4群に分類して評価する検診です。全く新しいタイプの胃がんの検診で、胃カメラもバリウムも飲む必要はありません。ほんの数ccの採血で行うことが出来ます。しかも、早期胃がんの発見率はバリウムで行う胃の透視検査よりも2倍高いと言われています。「胃カメラもバリウムもやるのが怖い!やりたくない!」という方は、まずABC検診を受けて、精密検査を受ける必要があるかどうかを判断してみてはいかがでしょうか?
がん対策推進基本計画に掲げられている「5年以内にがん検診の受診率を50%」という目標を「達成できると思う」自治体は、わずか1.5%にとどまることが明らかになりました。NPO法人胃がん予知・診断・治療研究機構が全国1750市区町村を対象に実施したアンケートの結果発表によれば、ABC検診にすれば「受診率が上がると思う」との回答は326件(37.9%)、「ABC検診の導入を検討してみたい」と答えた自治体は98件(11.4%)だったとのこと。
現在、都内では目黒区の他に中野区、世田谷区(ペプシノゲンのみ)、板橋区、墨田区、西東京市が実施しています。
目黒区健康推進課長の導入の経過や実績などについてのお話によれば、「目黒区では、40歳以上対象の特定健診のお知らせと同時に、がん検診の受診券が送付され、区内30ヵ所の指定医療機関で受診することができ、自己負担はなく無料。胃がんハイリスク検診は20年度から導入され、対象者は40歳から5歳きざみで70歳までと74歳となっている。X線撮影も行っていて、ハイリスク検診の受診率は33.1%、X線は2.7%と受診率はハイリスク検診が圧倒的に多く、その後の内視鏡による精密検査への移行は48%を超す。導入にあたっては、医師会との協議に1、2年の時間をかけ理解を得たうえで、血液検査は同一の検査機関に出す、その後のフォローも同様に行う、など歩調を合わせて進めてきた。今年で導入5年目となり、検証作業に入る予定で、費用的にはX線検診が2500万円で、ハイリスク検診の総コストもほぼ同じ。」とのことです。 ハイリスク検診はあくまでも、胃がんになりやすいかどうかを判定するもので、胃がん検診ではありませんが、胃がん検診を補完するものとして、十分な効果が出ています。新宿区もABC検査、簡易検査により受診率を上げる必要があると思いますがいかがでしょうか。
②ゴミ分別アプリについて、職員体制の強化について
本区に居住する外国人の数は年々増加傾向にあります。2016年6月号の月刊ガバナンスによると、本区に住む外国人の国籍は119カ国にも及び、中国が1万4647人、韓国または朝鮮が1万252人、ベトナムが3538人、ネパールが3136人、ミャンマーが1792人で、区全体の人口の約12%が外国人であるとされています。
同じく外国人の多い愛知県一宮市で、英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語の4カ国語に対応したごみ分別アプリ「一宮市ゴミチェッカー」が開発されました。このゴミチェッカーは、福井県越前市の市民団体「越前市ぷらぷらぼ」のオープンソースを利用したもので、住所を入力することでその地域のゴミ収集日を調べることが出来るだけでなく、約500品目のごみの分別情報を知ることが出来るようになっているアプリです。
清掃事務所の事業を視察させて頂いた際、段ボール箱に燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ごみや危険ゴミが分別もままならず、捨ててありました。それを作業員の皆さんが丁寧に分別し、ゴミの中の配達先のラベルなどから捨てた方を割り出し「後ほどお宅に訪問し、指導する」とのこと。これは、外国人の方がしてしまったことですが、アプリなどの整備が進めば、職員の負担を軽くすることもできるのではないでしょうか。
不法投棄の現場での対応も大変な作業でしたが、事務所内での、破袋・選別作業も見させていただき、危険ゴミを除去したり、資源ゴミの抜き取りを手作業で行っておりました。こうした丁寧な作業や努力の結果、前年度比2割ぐらいごみが減ったということですが、現在の体制ではこれが限界のようです。さらに良質な住民サービスを行っていこうとする状況を考えますと、職員体制の強化というものが必要なのではないかと思いますがいかがでしょうか。
また、職員体制の強化においても、委託を増していくだけでは、問題の解決にはつながらないものと考えます。「足立ナンバーのごみ収集車がすごい勢いで通学路の細い道を走っていた。危険極まりないがどうにかならないか。」など、区民の方から直接指摘を受けたこともあります。東北大震災の時も委託先の業者は土地勘も薄く、災害現場に集まることすらままならず、有事の際の対応力にはならなかったとのこと。そうした時の備えとしても、通常の業務の質を維持していくにしても、プロパーの職員は一定以上必要であることは明白です。こうした観点からも区は職員体制の強化を検討することはできるか、お考えをお聞かせ下さい。