決算特別委員会(9/26)

2023年09月26日

昨日、本日と10時から決算特別委員会が開かれ、総括質疑が行われています。

私は、本日の昼休み明けから小1時間、質問に立ちました。

「高齢者介護施設などにおけるコロナ禍対策について」、「不登校への対策について」、「保育の拡充について」、「(長期休暇などにおける)学童クラブの給食について」、関係部局に質しました。(全文は以下掲載)

明日からは、款項別の質疑となります。

こちらでも予算執行について、しっかりとチェックしていきたいと思います。

 

「高齢者介護施設などにおけるコロナ禍対策について」

新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが、季節性インフルエンザと同じ5類に移行してから半年近くが経過しました。この夏は4年ぶりに多くのイベントが復活し、観光地は家族連れなどで賑わい、お盆シーズンでは人々の移動も盛んでした。市井の方々は「コロナとの共生」「ウィズコロナ」の日常を実感しているのを、私も肌で感じています。感染状況に関する公表が「全数把握」から、週1回全国約5000の定点医療機関からの「定点把握」に変わり、実際の感染数や過去の流行と比べた「流行具合」は分かりにくくなっています。しかし、新型コロナウイルスはまだ勢いを失っておらず、全国の定点医療機関から7月31~8月6日の1週間に報告された感染者数は7万人を超え、1医療機関当たり15.81人だったと発表がありました。また、4週連続で1医療機関当たり10人を超えた。5類移行後毎週連続で増加していました。「今後も良くて微減の横ばいか、増加傾向を続ける可能性も高く、明らかに第9波になっている」と多くの専門家は警鐘をならしているところです。

今夏の猛暑や残暑でマスクをする人の割合も減りつつあるが、専門家は高齢者や基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人を中心に注意を呼び掛けているとのこと。健康度や年代、生活環境や職場環境に合わせた一人一人の感染防止のためのリスク評価・管理が一層大切になっていると、改めて予防の重要性が声高に叫ばれています。

コロナ禍の第8波の時では、感染拡大が続き、死者数は過去最多を更新しました。高齢者施設では、クラスターの発生が相次ぎ、入院もかなわず、施設内療養を余儀なくされ、そこで亡くなる方も少なくありませんでした。

Q.この第9波による介護施設等でのクラスターの状況やそれに伴う死者数など、把握はされているか。

Q.感染が確認された施設において、どのような対応がなされたか。

Q.介護施設においても、スタッフの不足は深刻な問題で、コロナ禍により辞職する数が増えた中、補充も思うにいかない状況と聞いています。沖縄などでは職員の埋め合わせもままならず、コロナ陽性となった職員が陽性の利用者を介護する「陽陽介護」といわれる状況にもなったとのこと。今後、外国人なども増え、そうした課題解決に臨むものと思いますが、早期の介護職員不足解消に向けて、どのような対応や対策がなされているのか、お伺いします。

Q.本会議では介護職員不足解消の手立てとして、宿舎借り上げについても取り上げられていました。利用されている方は15名とのこと。保育士同様に全職種を対象とし、期間も拡充すべきと考えます。これについては、都に要望していくとのことなので、しっかりと早期の改善を促していただくようお願いします。そこで、改めてお聞きしますが、新たな助成など、区独自で手当てできそうなこともあると思いますが、いずれにしても他自治体と差をつけるような取り組みは考えられないものか、お考えをお聞きします。

 

「不登校への対策について」

都教育委員会の調べでは、都内の公立校で不登校の子どもは2万人を超え、不登校の子どもの割合は小学生では全体の1.3%、中学生では全体の5.7%(これは17人に1人の計算)となり、過去5年で比べると小学生は2.6倍、中学生では1.6倍以上に増えているとのこと。新宿区でも、まず小学校において、令和2年度87名だったのが令和3年度では109名となり、令和4年度では130名にも上っています。また、中学生では令和2年度138名、令和3年度では149名、令和4年度では198名と、こちらも毎年数が伸びています。近年は、コロナ禍で学校の環境が激変し、心身に影響を受けて登校できなくなった子どもも多いことや不登校が選択肢として認知されたことから無理をして登校する子どもが減ったとの理由が考えられているようです。

Q.もちろん不登校となる理由は様々でしょうし、本人や家族や友人を含むその周辺の環境によるものも大きく影響することだと存じていますので、「これなら間違いない」という対策があろうはずもありませんが、不登校の児童生徒数が増加の一途をたどる状況に、教育委員会や学校ではどのような点に気を付けているか、またどのような対策を強化しているのか、お聞かせください。

Q.都教委の調べでは、「いじめ」を不登校の理由とするものは2万1536人中30人でしたが、2020年の文科省が行なった全国調査だと全体の25%との数字が出ています。もちろん対象や環境が違えば統計の数字も変わってくることは理解していますが、データの数字に開きが大きいことはいなめません。教育委員会が新宿区で把握する「いじめ」を不登校の理由とする数はどのようになっているか、教えて下さい。

Q.都教委の調べでは、いじめの低年齢化が進んでおり、いじめの認知件数は小1が最多とのことでした。教育委員会ではどのような状況にあるか、教えて下さい。

Q. 教育委員会では、いじめの低年齢化をどのように捉えているか、また対策はどのようなものをお考えか、お聞かせください。

Q.不登校対策として、つくし教室やけやきルームがあり、メンタルフレンドの訪問などが行なわれており、最近ではメタバースによる試験的な取り組み「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」も行なわれていますが、こちらの利用状況や現時点で気づいたことなどあればお聞かせください。

Q. 不登校における学習では、従前のプリント等による学習に加えて、教科等の特性に応じて幾つかの授業をオンラインにより指導するなど対応しているとのこと。1人1台のタブレット端末を活用した取組を推進するとともに、各校で取り組んでいるタブレット端末の特色を活かした実践事例を共有していくともおっしゃられていましたが、区内の公立校では全般的にこうした取組が行われているのでしょうか。また、どのような利用がなされているのか、お聞かせください。

Q.カメラを通して、オンタイムで授業を受けることが全校でできていますとのこと。仕様について、各校でスタンダードが共有されているのか。

Q.不登校対策として、つくし教室やけやきルームがあり、メンタルフレンドの訪問などが行なわれていますが、教育委員会が直接関与しきれていない人数やその割合はどの程度か、教えて下さい。

Q.そうした子どもたちの居場所づくりの中で、国も区もフリースクールとの連携の重要性が取り上げられてきました。多様な教育機会検討委員会においてフリースクールの職員を招聘し、情報交換を行うなど関係を深めてきたものと思います。フリースクールにおける児童・生徒への支援方針やカリキュラムの内容について共有するとともに、学校との連携等について協議を進めてきた中、どのような形が望ましいと考えたのか、ご見解をお聞きします。

Q.NPO「フリースクール全国ネットワーク」の調べでは、ICTを使った学習(配られているタブレット端末を利用した学習)において、「在籍校と学習状況・履歴の共有などしている」と答えた団体が全体の23%とのこと。うち、25%が「在籍校で出席扱いする際の根拠資料となっている」と答えていました。そこで伺いますが、新宿区ではフリースクールとの連携において、「在籍校と学習状況・履歴の共有などしている」そして「在籍校で出席扱いする際の根拠資料となっている」とした関係まで進んでいるか、お聞かせください。(学習の進行度を共有することや出席並みとする取り扱いなど、様々で難しい点もありますが、文科省はフリースクールなどのICT活用による学習活動について、「一定の条件を満たせば出席扱いにすることが望ましい」とする通知も発出しておりますので、しっかりと対応してください。)

Q.また、都教委の調べでは、不登校の子ども達のうち、フリースクールに通った記録がある子は5%弱だったそうです。フリースクール自体の数が少ないのも理由のようですが、フリースクールの授業料が平均3万3千円(文科省調べ)と負担が大きいことも挙げられていました。教育の機会を担保するとして、フリースクールとの連携を深め、フリースクールの授業料を支援する自治体もあります。不登校で悩む家庭の中には、経済的支援も必要な場合もあるかと考えますが、そうした点において区はどのようにお考えか、お聞かせください。

 

不登校など学校に係わる子ども達への様々な課題を解決するため、学校や保護者などをつなぐ役割としてスクールソーシャルワーカーに大きな期待が持たれています。スクールソーシャルワーカーは、不登校や虐待など事態が悪化する前に専門知識を基に対応を考え、学校を支援する、または子どもや保護者と面談し、心のケアについてスクールカウンセラーと連携し医療や福祉などの機関との調整も担います。

NPO「スクール・ボイス・プロジェクト」の調査では、多くの教員がスクールソーシャルワーカーと連携すると精神的・時間的な負担軽減につながると答えているとのこと。ただ、スクールソーシャルワーカーはいくつかの学校を掛け持ちする勤務形態で、1校当たりの滞在時間が週1時間未満というところも全体の3分の一にのぼるとのことで、勤務日数が少なく、情報共有や協働がしにくいとの答えも9割を超えていたようです。

Q.新宿区におけるスクールソーシャルワーカーの勤務状況を教えてください。

Q.多くの教員がスクールソーシャルワーカーがいることによって、精神的・時間的な負担軽減につながると考えており、学校の大きな課題である教員の多忙を解消するのにも効果的と思います。ただ、現場では人手不足により支援の質を向上させていくには体制が脆弱だと感じており、本当に持続可能な仕組みかと疑問を持っているようです。そこで伺いますが、体制の強化を図る意味でもスクールソーシャルワーカーを増員する、滞在時間を増やすなど取り組みに更に力を入れる必要があるものと考えますが、お考えをお聞かせください。

(国もスクールソーシャルワーカーの必要性を認めており、関連予算をふやしていくことを検討しているとの報道もありますが、そうしたいつになるか分からない対応を待つのではなく、先駆けてでも区として取り組み強化を図るべきと思います。)

Q.また他方では、いじめや不登校など学校を取り巻く様々な問題の解決に向けて、法律のプロの知恵を借りようとスクールロイヤーを導入する動きが出ています。スクールロイヤーは、学校現場の問題に対し、教育や福祉の視点を採り入れて「法的な観点から継続的に学校に助言を行う弁護士」です。

文科省は、認知件数が年々増加しているいじめや不登校などのほか、学校側に過度な要求をする「モンスターペアレント」への対応も含め、法律の専門家による相談が必要になる機会が増えているとして、スクールロイヤーの配置を全国の教育委員会に促しており、20年度からは地方交付税に導入費用が盛り込まれています。「いじめなどの問題に弁護士が入ることで、事態が深刻化する前にトラブルの芽を摘むことができる」と文科省は期待しているようですが、対応する教員の負担も減らすことができ、教員の働き方改革にもつながるスクールロイヤーの配置について、区はどのようにお考えか、お伺いします。

 

「保育の拡充について」

区は保育需要の見立てにおいて、タワーマンションなど再開発事業による就学前人口増について、自治総合研究所の調査を受け、人口流動傾向を根拠としているとのこと。そうした見立てが現実と十分に合致し、保育の待機児童は解消しているところです。地域ごとに環境が違うので、それぞれの地域需要に即した対応を図り、引き続き、適切な判断に努めていただきたいと思っています。

共働きでないことから「保育の必要性」が認められず、保育園を定期的に利用できなかった家庭の子どもを預かる取り組みが始まっています。保護者の就労や介護といった保育の必要性の認定が利用の条件となっており、預け先のない保護者が育児の悩みを抱え、周囲から孤立するなど、未就園児や無園児と呼ばれる子ども達への支援が課題となっています。

こうした課題解決に国も動き出し、子ども家庭庁は23年度に定員に空きのある保育園などで未就園児を定期的に預かるモデル事業「子ども誰でも通園制度」を実施、文京区では30名の枠に179人が申し込む事態となり、利用前に必要な面談の予約が一時停止なるほどでした。担当者は、「日中、在宅で子育てしている人であっても利用できるものがあれば利用したかったということが分かりました。」と、想定を超えるニーズに驚いたとのことです。

Q.先日の本会議での質問に「実施を検討したが場所がなかった」とのお答えでした。待機児童の解消のため、地域型保育事業「保育ルーム」を展開していましたが、その役割を終え、学童クラブ等への転用を図ることになりました。都認証保育所なども入所児童数の減少に伴い、経営継続困難とのことで閉園するとの報告もありました。そうしたところで実施が可能ではなかったかとも考えますが、どのような検討がなされたのか、お聞かせください。

(「一時保育より定期的で長時間預けられるところが魅力」、「定期的に確実に預けられるのことが心の余裕になっている」との感想があったとのこと、間違いなく新宿区でも多くのニーズがあるものと考えます。実施の検討を改めてお願いいたします。)

Q.他では、品川、中野、渋谷などでも同様の事業が実施されたのですが、こうした制度の理念に共感するものの、そもそも保育現場は慢性的な人手不足に陥っており、まずはそこを解決しなければニーズに応えるのは難しいとの声も挙がりました。質の高い保育の担保も含めて、人材の育成や確保に更に力を入れていかなければならないと考えますがご見解を伺います。

Q.就労相談や宿舎借り上げ、スキルアップなどへの助成を実施していることは存じています。ただ、ある一定の効果から上積みが見られないようですが、新たな一手を打たないと課題は解決しないものと考えます。保育に係わる人材不足をどのように捉えているか、お考えをお聞きします。

 

「学童保育の不足解消について」

Q.マッチング事業において、候補地を選定しているものと思いますが、現地に足を運ぶとなかなか条件が合わないなどご苦労も多いものと思います。先日、新聞の記事にもなっていましたが高田馬場の大規模開発の際、マンション内に学童保育施設が設置されたとのこと。これまで大規模開発がなされる際、待機児童対策として、保育施設の設置を促してきたものと思いますが、保育施設は数もそろってきている現状です。今、足りないのは学童保育の施設であり、そちらを促していくことが必要だと考えますがいかがでしょうか、ご見解をお聞きします。

 

「(長期休暇などにおける)学童クラブの給食について」

Q.本会議において、いくつかの会派から質問もありました。それぞれの事情もある中、学童クラブの29か所の内、22か所で弁当の手配がなされているとのこと。他の7か所では、どのような対応がなされているのか、教えて下さい。

(7か所は従前どおり家から弁当を持参しているとのこと。八王子市や港区のように、対応できるよう環境を整えていく必要があると思いますが、他自治体の取り組みを研究していくとのことでしたので、スピード感を持って対応していただくようお願いします。)

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