本日は、10時から予算委員会が開かれました。
先週末に引き続き、自民党の総括質疑です。
次いで、共産党、新宿会と続いて、本日の質疑は終了です。
本日は質問もしていないので、先日の私たちの代表質問の全文を掲載します。
手前味噌になりますが、なかなか良い質問だったと思います。
・新たな総合計画の策定について
平成29年度は20年度からスタートした新宿区総合計画と28、29年度を計画期間とした第三次実行計画の最終年度ということで、中山区政時代からこれまで10年間に渡って築き上げてきた計画の最終章となるとともに、30年度からの新たな10年間を見据えた総合計画と、アクションプランとしての実行計画を策定する「極めて重要な年である」と区長は基本方針で述べられています。
振り返りますと本区は、平成19年第四回区議会定例会での議決を経て、37年を想定した新宿区基本構想及び、この基本構想に基づき、総合的かつ計画的な行政運営を推進していくために、10年間にわたるまちづくりの指針を総合計画として定めました。そして、この総合計画の具現化に向けて、20年度から23年度までの四年間を計画期間として第一次実行計画を策定しました。
この基本構想、総合計画については、遡ること三年前の平成17年度の区民会議の発足・提言から始まり、地区協議会での議論、基本構想審議会や都市計画審議会での審議など、多くの区民が策定までの過程に関わりました。 そしてその後、平成24年度から27年度の第二次実行計画策定においては、限られた財源を有効に活用するため、幅広い層の区民の参加を求めて区民討議会を開催し、事業仕分けの手法を活用した事業判定を実施し、合わせて外部評価、地域説明会を開催するなど、区民参加による透明性の高い計画づくりを進めました。 そして、平成20年度からスタートした現在の総合計画の総仕上げとなる第三次実行計画素案が平成27年3月から策定に着手し、それが同年10月に示されました。行政評価の結果を十分踏まえるとともに、区民の意見を十分取り入れる計画とするためにパブリックコメントの実施と、区内10地域において地域説明会が行われました。この第三次実行計画はこれまでの総仕上げであるとともに、新たなる時代の幕開けでもある30年度からスタートする総合計画への架け橋となる、大変重要な意味を持つ計画です。そして29年度はその最終年度であり、これまでの取り組みが実を結ぶよう力を振り絞って取り組む一年であると思います。
また、昨年7月からは平成30年度から39年度を計画期間とする新たな総合計画を策定するために区長が委嘱した学識経験者、区議会議員、公募区民、区内各種団体構成員、計35人の委員を持って組織した「新宿区基本構想審議会」を設置し議論が交わされました。この間、区内10地域において地域説明会の開催やパブリックコメントにより、多くの区民の方々から意見をいただくなどの過程を経て、今月13日に区長に答申されました。
そこで一点目の質問ですが、今回「新宿区基本構想審議会」からの答申を受けて、区長はその内容をどのように受け止めたのかお聞かせ下さい。
二点目に、この答申を受けて新たな総合計画と、そのアクションプランとなる実行計画を策定されるわけですが、平成27年第四回定例会でのわが会派の代表質問で区長は、「新たな総合計画策定の際には、原案策定の段階から町会・自治会、地区協議会などからご意見をいただく機会を設けるとともに、区民討議会を開催するなど、幅広くご意見を伺うことを考えています」と、策定過程において多くの区民参加を経て策定するという趣旨のご答弁をされましたが、今後の策定に向けた日程はどのように考えているのかお聞かせ下さい。
・平成29年度予算案について
わが国の景気は、個人消費や設備投資などの民間需要の自律的回復力は今なお弱く、それに加えて昨年は6月にはイギリスで行われたEU離脱を問う国民投票の結果、イギリスはEUから離脱、そして11月にはアメリカ大統領選挙の結果、トランプ新大統領が誕生するなど、いずれも世評を全く覆す結果となり、今年に入っても未だ混乱は収まっていません。また、中国経済の減速などの不安定な要素も多々あり、引き続き海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響についても十分に留意する必要があります。
さらに、地方税の一部国税化や企業版ふるさと納税の創設、消費税率引き上げの再延期など、地方財政にも大きく影響を及ぼすことが懸念されます。
このように本区を取り巻く社会経済情勢は、決して楽観視出来るものではなく、今後もさらに慎重にその情勢を見極めていくことが必要です。
区民が日々の生活を営むにあたり基本となるのは「自らの足で立つ」すなわち「自立」ですが、このような本区を取り巻く社会経済情勢の先の見通しが「視界不良」という状況下では、やはり区民が心を寄せ期待するところは最も身近な行政機関である区役所であります。区役所はその期待にしっかりと応えるための頼もしい存在でなくてはなりません。
さて、本区の状況に目を転じますと、今後、次世代や高齢者、生活困窮世帯などへの支援、災害に強いまちづくりの実現、高度成長期に全国に先駆けて建設された公共施設が更新時期を迎えたことへの対応、三年後に迫ったオリンピック・パラリンピック競技大会に向けたさまざまな準備など、重要な施策を進めていかなければなりません。そのためには必要な財源をきちんと確保するための強固な財政基盤が必要です。
本区の平成27年度決算では、特別区民税などの一般財源が38億円余増となり、実質単年度収支は三年連続の黒字とはなりましたが、先に述べたようなさまざまな重要な施策を進めていくにあたっては、「現在の区財政を取り巻く環境は依然として不透明で予断を許さない状況にある」と依命通達でも述べられています。
このような状況に対応するために平成29年度の予算編成の方針を第一に、限られた財源を重点配分し、第三次実行計画の達成と現在の総合計画の総仕上げに取り組むとともに、緊急性が高い区政課題に的確に対応すること、第二に、行政評価や決算実績等に基づく事務事業の見直しと経費の削減、さらなる歳入確保など、安定した財政基盤の確立に向けて積極的に取り組むことを基本として編成されました。
このことから先に述べた重要な施策をはじめ、さまざまな区民の期待に応えていくための施策を実現するために強固な財政基盤を確立するための姿勢が窺えます。
そこで質問致します。
一点目に、国が地方の貴重な自主財源である法人住民税の国税化を行っていることについてですが、国は、「東京一極集中の傾向が加速している」として、「地方創生を実現する」という名目で、「都市と地方の財源の偏在の是正を進め、地方税の国有化を行い、消費税率が10%となる平成31年10月からは国税化をさらに拡大する」との法改正を行いました。
まず、29年度にこれらのことは本区にどのような影響があるとお考えなのかお聞かせ下さい。
またこれらのことは地方の自主財源を縮減し、地方の自立を大きく妨げるものであり、地方分権の流れに逆行するものです。わが会派として改めて反対の意思を表明致しますが、これまでに多くの会派から同趣旨の発言があり、新宿区議会として国の関係機関に対して「地方税財源の拡充に関する意見書」も提出しています。
現在、特別区全体として地方が担う権限と責任に見合う地方税財源の拡充に向けて取り組んでいますが、現在の取り組み状況と国の動きなどについてお聞かせ下さい。
二点目に、不用額と平成29年度予算案についてですが、ここ数年の決算不用額は25年度59億円、26年度62億円、27年度58億円と、以前の100億円前後あった20、21年度と比べると大幅に減少しています。これは執行率を95%以上にして、決算不用額を5%未満とするという目標を掲げて取り組みを行ってきた結果だと思います。
今回の予算案においても、原則二年連続して、執行率95%以下、不用額200万円以上の事業は、執行率に応じて、削減率を設定し、経費の削減を行った結果、31800万円の削減が行われましたが、どのような事業がこの対象となり、それらは今回の予算案の中ではどのように見直しが行われたのか、主なもので結構ですのでお示し下さい。
三点目に、基金残高についてですが、平成 27年度決算では、納税義務者の増による特別区税などの一般財源が増となり、財政調整基金からの取り崩しをせずに済みましたが、29年度予算では、26億円の財源不足が生じています。また、その他特定目的基金を含めた基金全体での取り崩し額は55億円ですが、積立金は33億円となっており、29年度末の基金残高は、28年度末から22億円の減となる381億円と見込まれています。区財政を取り巻く環境が依然として不透明な中、今後、多くの重要な施策を進めていくためには、基金を有効に活用しなければなりませんが、このような状況に不安が残りますが如何お考えでしょうか?
・児童相談所の設置について
区長は基本方針の中で、「都区制度改革については、法改正により、本年四月から特別区による児童相談所の設置が可能となったため、東京都との具体的な協議を進めるとともに、必要な財政措置を求めていきます」と述べています。
このことについては、特別区が平成23年12月の都区のあり方検討委員会において、都内における児童虐待死事件等の発生や、児童虐待に関する相談対応件数の急増など、「児童を取り巻く状況は非常に憂慮すべき事態となっている」との認識を背景に、児童相談行政について、都区のあり方検討委員会とは切り離して、別の場を設け、優先的に検討する方針を打ち出しました。
その後、さまざまな協議の場を経て、昨年5月の児童福祉法の改正により、児童相談所の設置が特別区においても可能となったため、本区もその準備に取り掛かっていくものと思います。
社会の宝である子ども達をなんとしても現在のような悲惨な事件や事故が相次いで発生している状況から守るためにも、現在の都区間による二元体制によって生じるさまざまな弊害をなくし、特別区の一元体制のもとで総合的に担う体制を早急に構築しなければなりません。
平成22年に当時小学校一年生の男子児童が自宅で家族から暴力を振るわれ、死亡する事件が起きた江戸川区では32年4月に設置を予定し、新年度予算案に施設設計の委託費として9800万円余を計上しました。また、荒川区でも同様の時期に設置を予定し、新年度予算案に施設の設計費用を計上しました。世田谷区でも32年4月以降に設置予定ということで、新年度予算案に有識者らによる検討委員会の設置費などを盛り込みました。
本区の児童相談所の設置について、時期については、昨年の第四回定例会におけるわが会派の三雲崇正議員の代表質問の答弁で、「平成33年4月開設を目指す」と区長はご答弁されました。本当に大切な子ども達をしっかりと守れる体制の整備をして、半年でも一年でも早く前倒しで設置するぐらいのお気持ちで力を尽くしていただくことを切望致します。
そこで質問致します。
一点目に、先ほど述べた昨年11月のわが会派の代表質問で、「新宿区は平成33年4月開設を目指す」と区長からご答弁がありましたが、この開設に向けて、現段階でおおむねの予定についてどのように考えているのかお聞かせ下さい。
二点目に、同様の質問の中で「都の協力を前提としたものであることから、まず、都との協議を開始することが課題と考えています」と区長からご答弁がありましたが、東京都との話し合いの窓口となっているのは区長会ですので、現在、東京都と区長会の間で協議を開始するための話し合いはどのようになっているのかお聞かせ下さい。
三点目に、これも同様の質問の中で、「建設費用は児童相談所と一時保護所の併設で、約5億円、運営費については、児童相談所と一時保護所合わせて約7億円とそれぞれ試算しています。このような経費については、都に対し財源措置を強く求めてまいります」と区長はご答弁されました。この質問の最初にも述べた通り、区長は基本方針でも同様のことを述べられました。本区としては東京都との協議が開始された時には、このことについては強く申し入れるという姿勢が伝わってまいりますが、では、その他にはどのような課題を協議しようと考えていますか?
・待機児童対策について
区長も基本方針の中で「安心できる子育て環境の整備」として触れられていましたが、待機児童問題は、今の日本の社会を支えている現役世代を支えるためにも早急に解決しなければならない重大案件です。
本年4月には待機児童解消に向けて、中央図書館跡地を活用した私立認可保育所の開設、また認証保育所の認可化や、既存認可保育所及び認定こども園の定員拡充などにより416名の定員拡充が図られました。しかし、4月入園の第1次申し込みに対し、2月17日付で409名に不承諾通知が送られ(昨年は424名)、またもや多くの子どもが待機児童となることが懸念されています。
そこで本年4月の待機児童の年齢別の想定人数及び、その評価について区長のお考えをお示し下さい。また、本年5月には更に私立認可保育園の開設に伴う80名分の定員拡充を行いますが、その内容は、0歳児が9名、1~4歳児が各14名、5歳児15名を予定しており待機児童がより深刻である低年齢児への対応が十分とは言えない状況であるといえます。今後の対応をどのように考えられているかお聞かせ下さい。
昨年12月日経DUALと日本経済新聞社は、「自治体の子育て支援に関する調査」を共同で実施しました。その結果を基に「子育てしながら働きやすい都市」をDUAL・新聞独自の指標でランキングしました。この記事では、東京編・東京を除く全国編をそれぞれ上位20位まで発表したほか、総合ランキングとして上位50位までを発表しました。昨年のランキングにおいて、本区は東京編の第一位を獲得しました。この結果により、人口の流入や、女性の就労意欲という点において、大きな影響があるかと思われましたが、現在のところ保育所等の申込者数も例年と同様100名程度の増加であったと伺っています。
しかし、今後OECD諸国平均と同等まで女性の就労率が上がると計算すれば、潜在的待機児童数は全国で120万人に上るという試算もあります。これを鑑みると、今後もさらに待機児童解消対策を推し進めていく必要があるといえます。
区政の基本方針によると、平成29年度の取り組みとして先述した80名、加えて年度内に賃貸物件を活用した私立保育所5所の整備により259名の定員拡大を目指すことで、合計755名の定員拡大を図るとされています。第三次実行計画では、来年4月に待機児童ゼロを目標にしており、この大幅な定員拡大に期待をするところではありますが、潜在的な待機児童数の見込みをどのように捉えられているのでしょうか?また、4月入園の二次申し込みや、今後の申し込み状況も踏まえて、来年4月の待機児童ゼロの実現に対する見通しをお示し下さい。
次に、待機児童解消に向けた新規事業についてお伺いします。
子育て世帯の経済的負担軽減を図るため、今年度より保育園等の入園が不承諾となった保護者が、入園を待機する間に一定基準を満たした認可外保育施設を利用した際の保育料の一部が助成されます。しかし、現実問題として、入園を待機している間の認可外施設の利用自体が出来ないといったご家庭があるのも現実です。
港区では平成29年度から待機児童対策としての従来の障がいや疾患等のお子さんに対応した居宅訪問型事業のほかに、待機児童に対する方策としての居宅訪問型保育事業が新規事業として予算計上されています。場所や建物などのインフラ整備を行うことなく保育需要に対応するという点で、本区においても参考になる事業ではないかと考えます。港区のように居宅型訪問事業を区が実施するまではいかなくとも、施設利用だけにとどまらず、ベビーシッター利用に対する区独自の補助等の施策を講じることなども、合わせてご検討いただければと思います。区長の御見解をお聞かせ下さい。
保育士不足、土地不足などの要因により、私立認可保育園を誘致していく方法で待機児童を解消していくという従来の方法では、待機児童の解消が困難になっており、早急に別の手法を変えながら対策をとる必要があります。短時間就労等の方のお子さんを継続して保育することを目的として、本区でも本年4月から新たに、4・5歳児の定員、保育室に余裕がある保育園で実施する「空き保育室型定期利用保育」が実施されることが決まっており、期待をしているところであります。ライフスタイルの多様化に対応し、今後も継続して他の地域の取り組み事例等を踏まえながら新規事業の展開をしていく必要があると考えます。区長のお考えをお聞かせ下さい。
・民泊問題について
平成27年8月に、国家戦略特区の指定が東京都全体に広がり、このことにより、旅館業法に基づいて許可を受けたホテルや旅館以外の施設を旅行者に貸し出すことが出来る、いわゆる特区民泊が自治体で条例を制定することによって可能となり、これを機に民泊への関心が高まったところです。
しかし、この特区民泊の制度を導入しているのは、現在、都内では大田区だけですから、大田区以外で民泊を行うには旅館業法の許可が必要となり、許可を受けていない民泊は違法ということであります。
現在この民泊が都心部において大きな社会問題となっています。
これまで新宿区議会でも多くの議員からこのことについての発言がありました。
本区におきましてもこのことに関する苦情や相談が平成26年度までは一桁台でしたが、27年度は95件、本年度でも先月末現在で198件と激増しています。苦情や相談が寄せられる施設の累計としては共同住宅いわゆるマンション関係が164件78.2%を占め最多となっており、マンションなどで近隣とのトラブルが数多く発生しています。その内容は、見知らぬ外国人が短期間に入れ替わり立ち代り大勢で出入りしている、深夜のドアの開閉や共用部分で会話をするなど、昼夜を問わず雑音が絶えない、ごみを分別せずに出したり、集積所以外に不法投棄することなどであります。
このような違法な民泊が横行する中で、区民生活の安全・安心を確保するために本区では昨年9月に健康部に民泊問題担当という所管を設置しました。そして10月からは民泊に関するさまざまな課題を抽出して、それをしっかりと新宿区として発信していく、そして区民の安全・安心の確保を図る適正なルールを検討していくために、学識経験者、町会、商店会の代表、マンションの管理組合、不動産関係団体、警察、消防の関係者、そして新宿区の幹部職員総勢28名によって構成した「新宿区民泊問題対応検討会議」を設置し、これまで3回この会議を開催し、平成29年度も2回行う予定となっています。
また、国においては(仮称)住宅宿泊事業法案(いわゆる民泊新法)が間もなく今通常国会に提出されるようです。
本当にこの問題については特に今年に入り多くの方から「あのマンションでも、このマンションでも民泊が行われているようだ」という声をあちこちでお聞きしますし、実際にご相談も受けました。私事ではありますが、現在私が住んでいるマンションの一室においても違法な民泊が行われています。その状況をご紹介させていただきます。昨年の秋ごろから少なくて3人、多い時では10人ほどの外国人が入れ替わり立ち代りマンションのエントランスに立っていたり、部屋に出入りするのを何度も目撃するようになりました。同じマンションの住人からは「夜間に廊下で大声を出していることがある」、また清掃員の方からは「ごみを全く分別せずに出していたり、隣のコインパーキングにごみを置いて行ってしまう」という話も聞くようになりました。
私はこのマンションの管理組合の理事長をつとめていますので、こうした状況をなんとしても改善しなければと思い、管理組合の理事や管理会社の担当者とも相談をし、定期総会で話し合った結果、「当マンションにおいて民泊を禁止する」という管理組合規定を定めました。当然この決定については全世帯に文書で通知しましたが、違法な民泊は一向に止む気配がありませんでした。
そこで今度は健康部に相談をしたところ、今月6日に担当者の方がお二人来ていただき、私と管理組合の副理事長と四人で該当する部屋を訪ねたところ、フランスから来たという三人がいて、担当者の方が用意されていたアンケートに答えてくれました。この部屋は民泊仲介サイトAirbnbから選び、宿泊代は払っている、部屋の所有者とは面識がないなどということでした。まさに違法な民泊が行われている現場に遭遇しました。
担当者の方は一日に何件もこのような現場に足を運んで、まさに体当たりしていただいているようで、どんな方が部屋から出てくるかわからない、また、何度行っても不在で接触することが出来ない、部屋の所有者にも粘り強く対応しなければならないなど、大変なご苦労があると思われ、改めて敬意を表するとともに心から感謝を申し上げます。
現在のような状況が続けば治安が悪化し、本区のイメージは著しく損なわれてしまいます。区民が不安に陥り、安全・安心な生活を脅かす違法な民泊を一掃し、区民の良好な生活環境を第一とする本区の実情に見合った都市型民泊の適正なルールを一日も早くつくっていただきたいと願っています。
そこで質問致します。
一点目に、昨年10月からこれまで三回行われている「新宿区民泊問題対応検討会議」の中ではどのような課題が抽出されたのか現時点で結構ですのでお聞かせ下さい。
二点目に、この検討会議は平成29年度に二回開催されるようですが、どのような検討をすることを考えていらっしゃるのでしょうか?
三点目に、本区としてはこの検討会議の議論を取りまとめ、条例化を考えているようですが、これはあくまでも国の動向を踏まえて、いわゆる民泊新法の内容を見てからということのようですが、本区は23区中最も多くの2800件を超える民泊物件があるといわれていることから、民泊に関するトラブルは後を絶たないと思われます。一日も早い本区の実情に見合った適正なルールを定めてほしいと思いますが、この点は如何お考えでしょうか?
・教職員の負担軽減について
教職員の多忙化が問題となっています。
先般、私たちの会派の代表質問で、給食費徴収の公会計化などについて質問致しました。
学校では、本職とは言いがたい、時間の取られる職務が積み重なり、生徒や児童と向き合うゆとりがなく、個に対応することが難しい状況です。教職員一人ひとりの負担を軽減し、質の高い教育現場を作りあげることが急務と考えます。
そこでいくつか質問致します。
連合総研の調査によると週60時間以上働く小中学校の教諭の割合が、小学校教諭で73%、中学校教諭は87%に達するとのことです。ちなみに、小中学校とも50時間未満はいないとの結果です。この勤務時間の長さは、国際調査に照らしても、参加34か国中、最も長いとの結果も出ています。また、精神疾患で病休を取る教諭は、全国で年間5千人台で高止まりしており、ここからも激務により心身共に削られている現状が分かります。
そこで、文科省では業務改善のモデル地域指定や業務改善アドバイザーの派遣、部活動の休養日などに関するガイドラインづくりの対策を掲げました。そうした中で、本区も個々の業務を軽くするように工夫し、教諭が担うべき仕事を吟味していく必要があるのではないでしょうか?
まず、教職員の長時間労働を改めるには、勤務時間の管理が出発点となります。調査では、自校の管理職が「出勤時刻を把握していない、しているかどうか分からない」と答えた教諭が半数近くにのぼり、条例で定める所定勤務時間数を「知らない」と6割が回答したようです。「学校は労働時間の無法地帯」と言われるのも無理ないことでしょう。この背景には「公立学校教育職員の給与等に関する特別措置法」で、教諭の仕事は複雑で管理が難しいことから、残業代を払わずに基本給の4%を全員に支給する仕組みがあるとのことです。管理職は、勤務時間を把握する義務があるが、時間管理の必要に迫られることはありません。
そこでお聞きしますが、教育委員会ではこうした実態を把握されているのでしょうか?また、勤務時間を正確に把握するために、どのような取り組みがなされているのかお伺い致します。
次に、中学校の部活動についてお伺いします。
文科省は今年の初めに、都道府県の教育長に対し、各校に休みの日を設定させるように通知しました。これは、学校任せにしていては限界があり、足並みを揃える必要があると判断したからです。それもそのはず、1997年に文科省の有識者会議で「中学校の運動部では週2日以上の休みを確保するように」との提言がありましたが、20年間に渡って放置され、改善されなかったことが根底にあるからです。もちろん、部活動を重視すること自体は否定されるべきではありません。しかし、こうしたことにも限度があり、教職員の長時間労働の大きな原因の一つとなって、教育の質が低下するようでは、元も子もありません。
そこでお聞きしますが、部活動においては、外部の指導者を活用する道もあると思いますが如何でしょうか?また、そうした外部指導者の扱いも現場任せで、責任や役割、待遇などがあいまいで、不安や疑問の声も耳にします。そうした仕組みに関して、統一的な整備が必要と考えますが如何でしょうか。また、多感な時期の生徒に、勉強や部活動のほかにも広い世界があることを示し、知識や関心を深めるのを後押しするのも教育の大切な役割です。
ご所見をお聞かせ下さい。
次に、理想とする少人数学級についてお伺い致します。
密度の濃い学びや子ども一人ひとりの細かなところまで目が届く教育環境の整備として、私たちは30人学級規模がとても効果的な取り組みと考えています。当たり前の話になりますが、1クラスあたりの生徒数を減らせば、クラス数が増えるわけです。クラス数が増えれば、教員の数も増やさなければ対応出来なくなるのは言うまでもありません。これまで縷々述べましたように、教諭の多忙さは限界に達しており、教育現場からの「もっと先生を増やしてほしい」との訴えにも耳を傾けるべき時期と考えますが如何でしょうか?業務の内容改善と合わせて人員強化の検討についてお考えをお聞かせ下さい。