先日の厚労省発表、特養老人ホームの入居待機者が52万人を超える膨大な数字となった。
待機者数は、入居者数とほぼ同数ということは、半分が待機者ということだ。
数だけの問題ではなく、自宅待機を強いられている9万人弱が要介護4、5の重度者だというのも大きな問題だ。
特養ホームは24時間介護の上、低料金なので入居希望者は多い。
しかし、地価が高い新宿などでは用地取得が難しく、なかなか新設できない理由の一つだ。
また、特養ホームは介護保険の対象サービスの中でも費用が割高で、国や自治体の財政負担は重く、思うように整備が進まない。
統廃合された学校や供給過多となったビルやマンションの一部を利用した開設など、状況に即した対応が必要だ。
24時間対応の訪問介護・看護や在宅医療の拡充も併せて進めなければならない。
そして、一番の懸念は、介護の担い手を確保することなのだが、先日の「地域医療・介護推進法」の成立で、介護従事者の賃金担保も危うい。
厳しい労働条件や責任の重さの割に、待遇の良くない介護従事者の処遇改善は喫緊の課題であると考える。